創業130年以上の歴史を誇る企業!報酬の高さの理由とは?社是から読み解ける求められる人材像についても解説!
稲畑産業の平均年収は、2021年で862.5万円でした。商社・卸売業界内では21位、全体では228位、東京都内では179位と高順位。稲畑産業は電子材料や化学品、合成樹脂を主に取り扱っており、創業120年以上の歴史を持ちます。育児休暇制度・介護休暇制度が備わっているのでライフスタイルに合わせて働くことが可能。アットホームな社風で、風通しも良好です。現在従業員数511名、平均勤続年数14.0年とその水準は年々上昇傾向にあります。
目次
閉じる平均年収推移(稲畑産業と上場企業平均)
稲畑産業の平均年収推移は、下降傾向です。前期比で見ると4.3万円減少しています。
上述のように、過去5年間の平均年収は862.8万円なので、上場企業と比べると高い水準になります。
稲畑産業の平均年収 | 年収 |
---|---|
2019年 | 863万円 |
2018年 | 867万円 |
2017年 | 869万円 |
2016年 | 842万円 |
2015年 | 874万円 |
稲畑産業の平均年収 | 上場企業の平均年収 | 全国の平均年収 |
---|---|---|
862.5万 | 612.5万 | 432.2万 |
稲畑産業の平均年収は、他の会社と比較すると高い傾向にあります。日本の上場企業の平均年収と比べると250.0万円高く、上場企業以外も含めた全国平均の年収と比較すると430.3万円高くなっています。(全国平均の年収は、国税庁が実施している『民間給与実態統計調査』の最新版の調査結果を参照しています。)
上場企業全体の年収ランキングで見ると、3737社中228位と高い順位となります。
稲畑産業の平均年収 | 商社・卸売業界の平均年収 |
---|---|
862.5万 | 626.0万 |
稲畑産業が属する商社・卸売業界の上場企業の平均年収は626.0万円です。 そのため、稲畑産業の年収は業界平均と比べて236.5万円高く、業界内順位を見ると330社中21位と高い順位となります。
稲畑産業の平均年収 | 東京都の平均年収 |
---|---|
862.5万 | 647.2万 |
稲畑産業の所在地がある東京都の上場企業の平均年収は647.2万円です。 そのため、稲畑産業の年収はエリア平均と比べて215.3万円高く、エリア内順位を見ると1979社中177位と高い順位となります。
稲畑産業では夏と冬の年2回、約6ヶ月分のボーナスが支給されます。
平均支給額は約125万円~270万円となっており、評価によって支給額にやや変動があるようです。
普段から業務にきちんと取り組み成果を出していれば、満足のいく額が得られるでしょう。
稲畑産業の年収を職種別に見てみましょう。
通勤手当等の基礎的な手当以外にも家族扶養手当や住宅手当等の各種手当が充実しているため、勤めやすい環境であると言えるでしょう。
稲畑産業で出世した場合の年収は以下の通りです。
出世は年功序列制となるので、長く在籍することにより出世できる可能性も高まるでしょう。
2019年度の有価証券報告書を確認しましたが、報酬が1億円を超える役員についての記載は見られませんでした。
またその他の役員の報酬については、社内取締役6名に対して総額3億円で1人あたり5000万円、社内監査役1名に対して2500万円が支給されていました。
このことから、代表取締役社長執行役員の稲畑勝太郎氏の報酬は5000万円以上1億円未満であると考えられます。
業績も緩やかに上昇しているため、役員の報酬も今後伸びていくでしょう。
稲畑産業の競合として、長瀬産業や明和産業が挙げられるでしょう。
それぞれの年収を比較してみると、稲畑産業は863万円、長瀬産業は941万円、明和産業は698万円でした。
現時点では長瀬産業よりも約78万円程及ばなかったものの、明和産業よりも約165万円程高く、また商社・卸売業界の平均年収626万円よりも約236.5万円高いことから、水準は高いと言って良いでしょう。
今後進出予定の分野も数多いため、競合の年収を超える可能性もあるでしょう。
稲畑産業の売り上げ及び経常利益の推移を見てみると、売り上げは2017年で2804.9億円、2018年で3025.8億円、2019年で3053.6億円でした。
また経常利益は2017年で74.7億円、2018年で76.3億円、2019年で94.0億円となっていました。
2017年から2019年にかけて売り上げは248.7億円、経常利益は19.3億円それぞれ上昇しており、業績は順調であると言えます。
新型コロナウイルスの影響で販売数が例年よりも下降気味のものもあるようですが、一方で販売数が伸びている製品もあるため安定した収益を確保することができ、社員の年収にその分反映されているのでしょう。
稲畑産業では主に情報電子事業・化学品事業・生活産業事業・合成樹脂事業を手掛けています。
それぞれの事業内容を見ていきましょう。
情報電子事業では、情報電子第一本部・情報電子第二本部・情報電子第三本部の三つに分かれて以下の製品を扱っています。
情報電子第一本部はフラットパネルディスプレイやLED関連の製品を、情報電子第二本部はデジタル印刷・イメージング関連製品を、情報電子第三本部は再生可能エネルギー・半導体・電子部品や工業用材料をそれぞれ展開。
2019年度には半導体関連材料の売り上げが伸びました。
今後はIoTビジネスへの進出を目指し今後も尽力していくでしょう。
化学品事業では、スペシャリティケミカル部・パフォーマンスケミカル部・モビリティケミカル部・建材部の四つで以下の製品を手掛けています。
スペシャリティケミカル部では石油化学関連産業向けの原料・中間物の販売を、パフォーマンスケミカル部では塗料・インキ・接着剤等の原材料を、モビリティケミカル部では自動車・船舶・航空機等で活用される材料を、建材部ではハウスメーカーや建材・住設材メーカーをターゲットとしてそれぞれ商品を扱います。
現在は更なる技術の向上やグローバル展開を図っているため、今後も事業は更に拡大していくでしょう。
生活産業事業では、ライフサイエンス部・食品部の二つに分かれて以下の製品の販売を行っています。
ライフサイエンス部に関しては2019年度に海外向け医薬品の販売数が伸び、国内でも魚のスライス加工品等の売り上げが増加。
今後はアジア地域を中心に機能性食品・飲料、日本食材等の拡販に尽力していきます。
合成樹脂事業では、合成樹脂第一本部・合成樹脂第二本部で以下の製品を展開しています。
製品は生活用品だけでなく自動車や家電等にも活用されています。
2019年度には自動車向けの樹脂の販売数が国内外で伸びていたため、今後も次世代自動車の発展と共に更に需要が高まるかもしれません。
上記の他にも、稲畑産業では今後の新規ビジネスとして以下の分野に取り組んでいます。
各分野で新たな製品の開発等に尽力しているため、今後稲畑産業の事業は更に幅が広がっていくと考えられるでしょう。
ここで、稲畑産業の歴史を簡単に振り返っていきましょう。
1890 稲畑染料店が創業される
1893 社名を稲畑商店に変更する
1918 個人商店を法人化し株式会社稲畑商店となる
1943 稲畑産業株式会社に変更する
1961 大阪証券取引所市場第二部に上場する
1962 東京証券取引所市場第二部に上場する
1973 東京証券取引所・大阪証券取引所第一部にそれぞれ指定される
1990 創業100周年を迎える
2010 創業120周年を迎える
住友化学グループは、稲畑産業の他にアイアグリ、サイオクス、住化ケムテックス、住化ファイナンス等が所属するグループです。
グループ企業では農業資材の小売や廃棄物の処理、染料・機能樹脂の販売、融資・経理業務の受託等様々な事業に携わっています。
稲畑産業では、現在新卒採用・中途採用を行っています。
それぞれの募集要項を詳しく見ていきましょう。
新卒採用では、スタッフ職・アシスタント職の二つで募集を行っています。
それぞれの業務内容は以下の通りとなります。
また2019年度4月実績によると、それぞれの職種に就いた場合の初任給は次の通りでした。
スタッフ職
アシスタント職
比較するとアシスタント職よりもスタッフ職のほうがやや高額であることが分かります。
自身の希望する働き方等も考慮し、応募する職種を決めるようにしましょう。
選考フローはそれぞれ以下の通りです。
スタッフ職の選考過程のリクルーター面談では、働き方や給与のこと等について訊くことができます。
選考の合否には影響しないため、疑問点や知っておきたいことがある場合は躊躇せず質問しておきましょう。
現時点で公式ホームページでは中途採用情報はありませんが、転職サイトでは以下の職種の募集が行われていました。
どの職種でもTOEIC600点~730点程の英語力が必須となります。
少しずつ勉強を進めておくと共に、現在の自身の実力を示すために資格の取得にも励みましょう。
また、過去には海外営業等の職種でも募集が行われていたため、今後も必要に応じて募集が行われると考えられます。
自身のスキルアップに努めつつ、希望する職種の募集があった場合には早めに応募するようにしましょう。
リクナビには、稲畑産業では様々なタイプの学生と会いたいため、具体的に求める人材像は定めていないと記載されていました。
稲畑産業が大切にしている価値観「IK Values」を確認すると、以下の五つが掲げられています。
また、社是の「愛」「敬」の精神に基づき、人を尊重し、社会の発展に貢献することを経営理念としています。
これらのことから稲畑産業では、目標に向かって他の社員と一丸となって努力することができ、相手の立場になって物事を考えられる誠実な人材を求めていると考えられるでしょう。
稲畑産業の面接では、他社と比較した上での質問が多くされます。
そのため、競合他社の企業研究も抜かりなく行っておく必要があるでしょう。
過去の面接での質問内容は以下の通りです。
また、英語での志望理由の説明等も求められる場合があるため、英語でも説明できるよう練習しておきましょう。
従業員数推移(稲畑産業と上場企業平均)
稲畑産業 | 上場企業平均 | |
---|---|---|
2019年 | 511人 | 1,035人 |
2018年 | 508人 | 1,071人 |
2017年 | 508人 | 1,042人 |
2016年 | 498人 | 1,055人 |
2015年 | 486人 | 1,055人 |
稲畑産業の従業員数は2019年で511人と、1年前と比べて3人の増加となりました。
全上場企業の平均従業員数が1,035人なので、それと比べて少ない水準となります。
次に稲畑産業と同じ商社・卸売業界内で従業員数を比較してみました。業界平均の従業員数が486人なので、それと比較しても多い規模の人数というのが分かります。
平均年齢推移(稲畑産業と上場企業平均)
稲畑産業 | 上場企業平均 | |
---|---|---|
2019年 | 41.1歳 | 41歳 |
2018年 | 41.3歳 | 41歳 |
2017年 | 41.2歳 | 40歳 |
2016年 | 41.1歳 | 40歳 |
2015年 | 40.9歳 | 40歳 |
稲畑産業の平均年齢は2019年で41.1歳と、上場企業の平均と比べると年齢が高い水準となっています。
平均年齢を同じ商社・卸売業界内で比較してみました。業界平均が41歳のため、業界内で見ても若い水準となります。
平均勤続年数推移(稲畑産業と上場企業平均)
稲畑産業 | 上場企業平均 | |
---|---|---|
2019年 | 14.0年 | 12年 |
2018年 | 14.3年 | 13年 |
2017年 | 14.0年 | 13年 |
2016年 | 13.1年 | 13年 |
2015年 | 13.6年 | 13年 |
稲畑産業の平均勤続年数は2019年で14.0年と、上場企業の平均と比べると長い水準となっています。
平均勤続年数も同じ商社・卸売業界内で比較してみます。業界の平均勤続年数が13.2年のため、業界内で見ても長い水準となります。
稲畑産業が、転職先・就職先として魅力的な会社かどうかを知るために、前期比の売上成長率や一人あたりの経常利益などを見ていきましょう。
※売上・従業員数は、各社の連結ではなく「単体」の数字を元に計算しています。
売上
売上成長率(前期比)
経常利益
売上 | 経常利益 | |
---|---|---|
2019年3月期 | 3053.6億円 | 94.0億円 |
2018年3月期 | 3025.8億円 | 76.3億円 |
2017年3月期 | 2804.9億円 | 74.7億円 |
2016年3月期 | 2793.1億円 | 98.5億円 |
2015年3月期 | 2906.2億円 | 83.0億円 |
まず、稲畑産業と上場企業平均の「売上」と「成長率」を見ていきます。
2019年3月期の売上は、稲畑産業が3053.6億円、上場企業平均が1120.3億円となっています。稲畑産業の売上は平均と比べて高い水準となっており、売上の前期比成長率を見ると、稲畑産業が0.9%の減少、上場企業平均が15.4%の増加となっているため、上場企業の中では成長率は平均以下な会社と言えます。
稲畑産業 | 上場企業平均 | |
---|---|---|
2019年3月期 | 6.0億円 | 1.1億 |
2018年3月期 | 6.0億円 | 9064万 |
2017年3月期 | 5.5億円 | 9022万 |
2016年3月期 | 5.6億円 | 9416万 |
2015年3月期 | 6.0億円 | 9870万 |
次に、稲畑産業と上場企業平均の「従業員一人あたり売上」を見ていきます。
2019年3月期で見ると、稲畑産業は6.0億円、上場企業平均が1.1億円となっています。 そのため稲畑産業は上場企業の中では従業員あたりの付加価値が高い優良な企業と言えます。
稲畑産業 | 上場企業平均 | |
---|---|---|
2019年3月期 | 1839万円 | 788万 |
2018年3月期 | 1502万円 | 731万 |
2017年3月期 | 1471万円 | 741万 |
2016年3月期 | 1978万円 | 672万 |
2015年3月期 | 1709万円 | 689万 |
「従業員一人あたり経常利益」についても見てみましょう。2019年3月期では、稲畑産業は1839万円、上場企業平均が788万円となっています。 そのため稲畑産業は上場企業の中では効率的に運営できている会社と言えます。
※年表記については、各社の決算発表時点での最新情報を掲載するために、年度ではなく決算終了の年に表記を揃えてあります。従業員数推移なども「年度」表記になっていない限り同様です。
最終更新日:2021年1月1日
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