気になる競合他社との違いは?高年収なのは何故か?大日本印刷が生き残る理由とは?
大日本印刷の平均年収は上昇傾向にあり、2021年は726.1万円となっています。この数値は業界内12位と高水準です。大日本印刷は従業員数10,757人の大手印刷会社。日常生活に欠かせない日用品やスマートフォン部材などを作っており、日本の「あたりまえ」を作ってきた企業です。取引先は3万社にも及ぶとされ、ここで働くことで多種多様な人脈や価値観を身につけられるでしょう。クリエイティブな仕事のためワークライフバランスをとるのがやや難しいですが、平均勤続年数は18.6年と長めになっており、意欲を持って働ける職場であることが伺えます。社員の平均年齢は42.2歳です。
目次
閉じる平均年収推移(大日本印刷と上場企業平均)
大日本印刷の平均年収推移は、上昇傾向です。前期比で見ると13.5万円増加しています。
上述のように、過去5年間の平均年収は709.6万円なので、上場企業と比べると高い水準になります。
大日本印刷の平均年収 | 年収 |
---|---|
2019年 | 726万円 |
2018年 | 712万円 |
2017年 | 707万円 |
2016年 | 706万円 |
2015年 | 697万円 |
大日本印刷の平均年収 | 上場企業の平均年収 | 全国の平均年収 |
---|---|---|
726.1万 | 612.5万 | 432.2万 |
大日本印刷の平均年収は、他の会社と比較すると高い傾向にあります。日本の上場企業の平均年収と比べると113.6万円高く、上場企業以外も含めた全国平均の年収と比較すると293.9万円高くなっています。(全国平均の年収は、国税庁が実施している『民間給与実態統計調査』の最新版の調査結果を参照しています。)
上場企業全体の年収ランキングで見ると、3737社中714位と高い順位となります。
大日本印刷の平均年収 | その他製品業界の平均年収 |
---|---|
726.1万 | 555.6万 |
大日本印刷が属するその他製品業界の上場企業の平均年収は555.6万円です。 そのため、大日本印刷の年収は業界平均と比べて170.5万円高く、業界内順位を見ると111社中12位と高い順位となります。
大日本印刷の平均年収 | 東京都の平均年収 |
---|---|
726.1万 | 647.2万 |
大日本印刷の所在地がある東京都の上場企業の平均年収は647.2万円です。 そのため、大日本印刷の年収はエリア平均と比べて78.9万円高く、エリア内順位を見ると1979社中488位と高い順位となります。
大日本印刷では6月と12月の年2回、ボーナスを支給しています。
ボーナスの平均支給額は約80万円〜270万円で、ピークは50歳代、男女の最大の差は50万円ほどとなっています。
現在の大日本印刷では、上級職(出世)になることで給与やボーナスの金額が格段に上がる仕組みだそうです。
しかし、このシステムでは平等さなどに欠けるため、体制を変えるべく動いている状況のようです。
職種別の年収を比較してみると、一般職の平均年収は約400万円〜730万円、技術職は約350万円〜740万円、総合職は約550万円〜1020万円となっています。
どの職種も年収に幅があるのは、「上級職になると年収が格段にアップする」というシステムが影響していると考えられます。
このシステムをしっかりと見直し改善することで、変化が生まれることでしょう。
ちなみに学歴別の初任給を比較してみると、大卒は月給216,000円、修士了は月給236,000円、高専本科卒は月給190,000円となっています。
出世をした後の年収の違いを比較してみると、係長の平均年収は約700万円〜810万円、課長は約700万円〜1100万円、部長は約1170万円〜1350万円となっています。
出世をすると格段に年収がアップするというのは、一目瞭然です。
この体制を変えるべきと動いているようですが、そう簡単なことではありません。
どちらにせよ、大日本印刷ではやはり出世を目指すべきでしょう。
最新の情報によると、代表取締役会長の北島義俊氏の年収は約3億4000万円、代表取締役社長の北島義斉氏の年収は約1億4900万円です。
会長の北島氏に関しては、毎年宝くじが当選したほどの高額年収を得ていることが分かります。
その他の取締役の平均年収は約9000万円、監査役は約3100万円となっています。
確かに年収の高い大日本印刷ですが、紙文化が不況と言われている昨今において、役員の報酬の高さには目を見張るものがあります。
大日本印刷の競合他社というと、凸版印刷やNISSHA(日本写真印刷)などがあります。
有価証券報告書によると、凸版印刷の平均年収は約664.4万円、NISSHA(日本写真印刷)の平均年収は約662.6万円となっています。
大日本印刷の平均年収が約726万円なので、大日本印刷の年収がいかに高いかが分かります。
中でも日本の印刷業界のトップを争うとされているのが大日本印刷と凸版印刷ですので、大日本印刷は印刷業界の中でも非常に好調な業績を収めていると言えます。
大日本印刷の年収が高い理由には、幅広い事業と業績の安定があります。
売上高も2015年から安定して1兆4億円台をキープしており、経常利益に関しては少しずつではありますが着実にアップしてきています。
駅や商業施設などでもよく目にする大型ディスプレイや有機ELディスプレイの製造、世界でトップシェアを誇るリチウムイオン電池用バッテリーパウチの製造などに取り組むことで、紙の文化が衰退する現代社会にも取り残されることがないのです。
また、大日本印刷で勤務する従業員の平均年齢が42.2歳、勤続年数は18.6年と長いことも、全体的な年収の高さに繋がっていると考えられます。
大日本印刷は印刷業界でも日本有数の大手企業です。
主な事業としては、大日本印刷の要でもある情報コミュニケーション部門の出版関連事業、情報イノベーション事業、イメージングコミュニケーション事業などがあります。
紙の文化が衰退してきた今、雑誌や書籍の印刷・製本はもちろんですが、デジタル出版物の企画·制作から流通・販売も手がけています。
また、印刷物で培ってきた情報や技術を活かし、ICカードの製造·発行、電子マネーや決済プラットフォームなどの事業も展開。
他にも写真や画像に端末などをかざすことで情報や映像を得られるなど、画像の全てに付加価値を与えるイメージング市場に応えた事業も行っています。
その他の事業では、包装事業、生活空間事業、産業資材事業などの生活・産業部門、ディスプレイ関連製品事業、電子デバイス事業、光学フィルム事業などのエレクトロニクス部門があります。
環境に優しい商品パッケージの提供、住宅やオフィス、商業施設や鉄道車両などに提供する内・外装材を手がけており、中でもモバイル機器や電気自動車に使用されるリチウムイオン電池用バッテリーパウチに関しては世界トップシェアを誇っています。
また、モバイル端末から各種施設、屋外の大型機器まで、多様なサイズの液晶ディスプレイや有機ELディスプレイを提供しています。
大日本印刷の歴史について簡潔にご紹介します。
DNPグループとは、大日本印刷を中心核とした企業集団です。
中には情報コミュニケーション部門、生活・産業部門、エレクトロニクス部門、清涼飲料など、幅広い部門が存在します。
大日本印刷では新卒採用、キャリア採用(中途採用)、障がい者採用、ジョブ・リターン採用にて募集を行っています。
他にもDNPグループ各社の採用情報も掲載されています。
新卒採用では、営業、企画、コーポレートスタッフなどの事務系総合職、研究開発、技術開発、企画開発などの技術系総合職、ディレクター、クリエイターなどのデザイン系総合職にて募集を行っています。
勤務地は東京、埼玉、大阪、北海道、宮城、埼玉、愛知、福岡などですが、職種によって異なります。
選考の流れは、WEBプレエントリー→エントリーシート提出→説明会→面接(複数回)→内々定となります。
中途採用では、空間ディレクターやプロジェクトマネジメント、システムエンジニアなどの職種にて募集を行っていますが、時期によって募集している職種は異なりますので、こまめにチェックを行いましょう。
勤務地は、東京、大阪など全国各拠点となり、希望を考慮して決定されます。
選考の流れは、エントリー→書類選考→面接(複数回)→適性検査→内々定となります。
障がい者採用では、営業、企画、スタッフ、事務、製造部門オペレーター、技術・研究、システム開発などの職種にて募集を行っています。
勤務地は相談の上、決定されますので、希望を伝えましょう。
選考の流れは、障がい者採用ホームページにエントリー、もしくは応募書類を郵送→書類選考→面接(複数回)→場合によって筆記試験、適性検査→内定となります。
ジョブ・リターン採用には大日本印刷で勤務するAコース、DNPグループ会社で勤務するBコースが用意されています。
Aコースでは中途採用と同様のページから希望の職種を選択してエントリー、Bコースでは会員登録及び応募書類のアップロードを行ってください。
選考の流れは、エントリー→書類選考→面接(複数回)→適性検査→内々定となります。
大日本印刷では『高い志を持ってビジョンを描き、「未来のあたりまえ」を体現できる人』を求めています。
「未来のあたりまえ」とは、社会の課題を解決する製品やサービスを生み出し、 なくてはならない存在にすることを意味しています。
社会の変化に敏感であり、 ニーズを的確に見出し、 大日本印刷の総合力を活かしてビジネスにしていくことができる力が必要となります。
「どんな未来にしたいか」というビジョンを明確に描くことができ、 仲間と共に「あたりまえ」に変えていける人材を求めています。
大日本印刷では30代を超えることで収入も安定し、充実した福利厚生や待遇などがあるため、就職・転職先としても非常に人気のある企業です。
書類選考はもちろんですが、面接での質問に対しての答えもある程度用意しておく必要があります。
大日本印刷の面接では、「紙の文化が減少してきている今、印刷業界が業界が衰退していることについてどう思っているか」「印刷業界を復活させるためにはどうするべきか」「印刷業界の魅力とは何か」など、印刷業界についての質問が非常に多いようです。
企業研究はもちろん、紙の文化が衰退している現代社会の中で、印刷業界の魅力などをしっかり答えられるように学んでおく必要があります。
より身近に印刷業界を感じておきたい場合は、大日本印刷が開催するインターンシップがあるのでチェックしておきましょう。
1日で行われるビジネスコース、1日または1週間で行われる技術コースがあります。
開催地は東京・千葉・茨城・大阪などです。参加方法はHPよりエントリー→書類選考→結果連絡となります。
従業員数推移(大日本印刷と上場企業平均)
大日本印刷 | 上場企業平均 | |
---|---|---|
2019年 | 10,757人 | 1,035人 |
2018年 | 10,775人 | 1,071人 |
2017年 | 10,800人 | 1,042人 |
2016年 | 10,676人 | 1,055人 |
2015年 | 10,697人 | 1,055人 |
大日本印刷の従業員数は2019年で10,757人と、1年前と比べて18人の減少となりました。
全上場企業の平均従業員数が1,035人なので、それと比べて多い水準となります。
次に大日本印刷と同じその他製品業界内で従業員数を比較してみました。業界平均の従業員数が836人なので、それと比較しても多い規模の人数というのが分かります。
平均年齢推移(大日本印刷と上場企業平均)
大日本印刷 | 上場企業平均 | |
---|---|---|
2019年 | 42.2歳 | 41歳 |
2018年 | 41.6歳 | 41歳 |
2017年 | 41.0歳 | 40歳 |
2016年 | 40.4歳 | 40歳 |
2015年 | 40.1歳 | 40歳 |
大日本印刷の平均年齢は2019年で42.2歳と、上場企業の平均と比べると年齢が高い水準となっています。
平均年齢を同じその他製品業界内で比較してみました。業界平均が41歳のため、業界内で見ても年齢が高い水準となります。
平均勤続年数推移(大日本印刷と上場企業平均)
大日本印刷 | 上場企業平均 | |
---|---|---|
2019年 | 18.6年 | 12年 |
2018年 | 18.0年 | 13年 |
2017年 | 17.6年 | 13年 |
2016年 | 17.0年 | 13年 |
2015年 | 16.3年 | 13年 |
大日本印刷の平均勤続年数は2019年で18.6年と、上場企業の平均と比べると長い水準となっています。
平均勤続年数も同じその他製品業界内で比較してみます。業界の平均勤続年数が13.5年のため、業界内で見ても長い水準となります。
大日本印刷が、転職先・就職先として魅力的な会社かどうかを知るために、前期比の売上成長率や一人あたりの経常利益などを見ていきましょう。
※売上・従業員数は、各社の連結ではなく「単体」の数字を元に計算しています。
売上
売上成長率(前期比)
経常利益
売上 | 経常利益 | |
---|---|---|
2019年3月期 | 9826.9億円 | 184.4億円 |
2018年3月期 | 9907.5億円 | 264.2億円 |
2017年3月期 | 9768.0億円 | 209.6億円 |
2016年3月期 | 1兆10.3億円 | 282.1億円 |
2015年3月期 | 9990.2億円 | 244.2億円 |
まず、大日本印刷と上場企業平均の「売上」と「成長率」を見ていきます。
2019年3月期の売上は、大日本印刷が9826.9億円、上場企業平均が1120.3億円となっています。大日本印刷の売上は平均と比べて高い水準となっており、売上の前期比成長率を見ると、大日本印刷が0.8%の減少、上場企業平均が15.4%の増加となっているため、上場企業の中では成長率は平均以下な会社と言えます。
大日本印刷 | 上場企業平均 | |
---|---|---|
2019年3月期 | 9135万円 | 1.1億 |
2018年3月期 | 9195万円 | 9064万 |
2017年3月期 | 9044万円 | 9022万 |
2016年3月期 | 9376万円 | 9416万 |
2015年3月期 | 9339万円 | 9870万 |
次に、大日本印刷と上場企業平均の「従業員一人あたり売上」を見ていきます。
2019年3月期で見ると、大日本印刷は9135万円、上場企業平均が1.1億円となっています。
大日本印刷 | 上場企業平均 | |
---|---|---|
2019年3月期 | 171万円 | 788万 |
2018年3月期 | 245万円 | 731万 |
2017年3月期 | 194万円 | 741万 |
2016年3月期 | 264万円 | 672万 |
2015年3月期 | 228万円 | 689万 |
「従業員一人あたり経常利益」についても見てみましょう。2019年3月期では、大日本印刷は171万円、上場企業平均が788万円となっています。
※年表記については、各社の決算発表時点での最新情報を掲載するために、年度ではなく決算終了の年に表記を揃えてあります。従業員数推移なども「年度」表記になっていない限り同様です。
最終更新日:2021年1月1日
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