通訳の年収を徹底解説|給料・初任給手取り・賞与(ボーナス)・各種手当
外国語を自在に操る通訳は、英語などの外国語を学んでいる人が将来なりたい職業の一つです。
大学や語学の専門学校で通訳の養成課程がある授業を受けることが好ましく、また海外留学の経験もとても役に立ちます。
留学を考えている人や現在海外に留学している人なども、毎日現地語で切磋琢磨しないと語彙数を増やせませんし、ネイティブ特有の言い回しを理解できません。
では、そんな通訳の年収はどれくらいなのでしょうか。
通訳の年収や働き方についてご紹介致します。
通訳の平均年収は405万円が相場
通訳の年収は働き方によって大きく差がありますが、平均値をとると約405万円程度です。
日本全体の平均年収が400万円程度だということを考えると、平均年収とほぼ同程度ではあります。
語学能力、教養などが重視され、専門職として安定した年収が見込めます。
通訳の初任給はどのぐらい?
では、通訳の初任給はどのくらいなのでしょうか。
通訳はかなり稼ぐ人もいますが、初任給は月20万円くらいですので、高いとは言えません。
ボーナスが40万円程度ですので、それでも合計で300万円に届かないことがあります。
年収は、企業に雇われている場合は勤続年数が長くなればそれだけアップします。
通訳の年収・給料の構成要素
通訳の年収は、月収、ボーナスから成り立っています。
その他に各種手当が出る場合もあるので、どのような給与体系なのかご説明します。
基本給・能力給などはどうなっているの?
通訳の年収は、20代では月20万円ほどですが、30代になると月22万円~25万円ほどにアップします。
経験が豊富でないと務まらないお仕事ですし、レートというものが参考になるので、それを見て発注者は通訳に発注します。
レートとは、紹介(発注)を受ける件数と受注率のことで、これをかけたものが通訳の年収になります。
月収が最も多くなるのは50代前半ですが、それ以降になると、他の民間企業で働く人に比べて急激に月収は下がります。
自分で独立している場合は、この限りではありません。
賞与(ボーナス)はどれくらい?
では、通訳のボーナスはどれくらいなのでしょうか。
20代の若い通訳のボーナスは、年間にして35万円ほどです。
民間の一部上場企業のサラリーマンが年間に50万円~100万円ほど貰っていることを考えると、とても高いボーナスと言うことはできません。
ボーナスが一番高く、75万円ほどになるのも50代前半です。
それ以降は緩やかに下がりますが、20代や30代と同じくらいまで下がるということはありません。
各種手当はどういったものがある?
通訳は、企業に雇われている場合はその会社の福利厚生を受けることができます。
例えば、交通費支給、社会保険や雇用保険、労災、住宅手当などです。
雇用主が企業ではなく個人の場合は各種手当が出ないこともありますので、大手民間企業などで雇われる方が手厚いと言えます。
通訳の雇用形態別の年収を見る
通訳として働くと言っても、様々な働き方があります。
アルバイトから始める方もいれば、正社員で始める人もいます。
子育てなどでブランクがあったり家の事情で長時間働けない場合も、アルバイトやパート、派遣社員などの働き方があります。
そして、フリーランスとして働いたり独立開業することもできますので、それぞれの働き方の年収を見てみましょう。
アルバイトの場合の通訳の年収
通訳のアルバイトでは、時給はかなり高い傾向にあります。
一般的なアルバイトですと、東京では時給1,000円前後ですが、通訳の場合はその3倍の3,000円ほどの時給で働くこともできます。
つまり、単純に計算して1日8時間働けば24,000円になりますし、年間で600万円以上を手にすることも可能なのです。
ですので、実はアルバイトで働く方が儲かるという場合もあります。
正社員の場合の通訳の年収
正社員として働く場合はどのくらいの年収になるのでしょうか。
正社員ですと、ばらつきはありますが年収370万円~500万円程度で、ベテランになると600万円~1000万円ほどの年収になることもあります。
ですが、年収が高い通訳の人は大抵独立していくので、企業に雇われている場合は多くて月収30万、そこにボーナスを入れて400万円~450万円程度が一般的です。
フリーランスや独立して会社を開業した場合の通訳の年収
フリーランスの場合は、自分で仕事を見つけてくるか、企業が依頼してくるのを待つ形でお仕事を得ます。
クラウドソーシングなどでは通訳の単価は低く時給にして1,000円前後の場合もありますが、業務委託契約を結ぶ形で雇用されれば月収は30万円ほどになります。
各種手当やボーナスは出ませんので、月収を12ヶ月分かけた360万円程度が相場です。
また、通訳として10年、20年のキャリアを持ちベテランになってきたらどのようなキャリア形成を図るかは人それぞれですが、自分で開業届を出して開業する人も出てきます。
独立し会社を開業した場合は一般的に雇われている人よりも高く、600万円以上の年収になります。
その分仕事はとてもハードですが、受注をこなすだけレートが上がるので、発注数も増えます。
年収1000万円を超える通訳の人も、大体は独立して開業している人です。
通訳が年収を上げるためには、どうしたらいい?
通訳が年収を上げるためにはどのような行動をすれば良いのでしょうか?
通訳は、レートを上げるための語学スキルはもちろんですが、深い知識と専門性がなくては務まりません。
つまり、会議の通訳だと「今日は化学に関するテーマだから、用語を調べておこう」など、渡された資料をもとに徹底したリサーチをかけて誤訳のないように努めなければなりません。
信頼度が上がれば、通訳としての収入もアップします。
どういった働き先だと年収が高くなるのか?
個人の事務所でも福利厚生やボーナスがあるところもありますが、民間企業の外資系などでは、バイリンガルの人を積極採用しています。
日系企業でも海外に拠点を多く持つ会社では英語などの外国語と日本語がネイティブレベルの人を重視していますので、大企業だとかなり手厚い待遇が期待できます。
年収が高い人の条件・スキル・特徴は?
年収が高い人の条件として、知的好奇心が旺盛なことが挙げられます。
通訳になった後は様々なテーマで毎回違うお客様を相手にするので、事前のリサーチを怠らないで努力する人が年収アップしていく人となります。
日本語の能力もとても大切です。
自然な訳し方ができるよう、日本語の語彙力が豊富な人というのが、年収が高い人の特徴です。
最高でどれくらいの年収まで目指せるか?
同時通訳で海外出張をこなすレベルだったり要人の通訳を行うレベルの人は、年収は1000万円を超えます。
通訳の年収はとてもばらつきがありますが、実力重視の世界なので、自分で事務所を持っていて世界サミットなどの通訳を行える人だと、高収入が望めます。
これから通訳になる人へのアドバイス
これから通訳を目指す人は、ぜひ留学なども視野に入れて、外国語をきちんと身につけるようにしてください。
また、外国の文化なども訳す上でとても大切になりますので、文化を学ぶことも重要です。
もちろん、日本語に訳した際におかしな点がないように、読書を心がけて語彙を豊富にすることも必要です。
さいごに
いつかは同時通訳をして活躍したいという国際的な人は、通訳を目指すかもしれません。
最初は失敗もあるかと思いますが、通訳ブースには何人もの通訳が待機して交代で仕事をしています。
若い頃の下積み経験を乗り越えて、立派な通訳になれることを祈っています。
最終更新日:2020年7月3日