小学校教師の年収を徹底解説|給料・初任給手取り・賞与(ボーナス)・各種手当


学校の先生と聞くと年収が高いと思う人もいるかと思います。

子ども達に囲まれて過ごすやりがいのある小学校教師の年収はどのくらいなのでしょうか。

この記事では、「小学校教師の年収相場」「基本給以外の年収・給料の構成要素や昇給」「年収が高い小学校教師の特徴」などについて紹介していきます。

(この記事を執筆した筆者の紹介は、文末に書いてあります。)

小学校教師の仕事の年収の相場はどのくらい?

小学校教師の年収は、雇用形態によって大きく異なります。

雇用形態は、正規採用・常勤講師・非常勤講師の3種類に分けられます。

それぞれの年収について見ていきましょう。

公立での正規採用の場合の年収

正規採用とは、公立学校においてはその地方自治体教育委員会が主催している教員採用試験に合格した教員のことを指します。

新卒であっても、1年目から担任の先生を任されることが多いです。

この正規採用の全年代の公立学校の小学校教員の平均年収は、650万円程度と言われています(平均年齢約42歳の場合)。

公立学校では定年間近まで働く先生が多く、そういった先生たちが平均を押し上げています。

20~30代のうちは昇給幅が少なく、年収もあまり高くはありません。

新卒は月給22万円程度、年収300万円程度からのスタートとなります。

私立の小学校教師の場合の年収

数は少ないですが、私立学校の教師を目指すという手もあります。

私立学校は独自の採用や年収の決定を行っているため、一概には言えませんが、公立学校よりも高いところが多いようです。

特に、優秀で経験豊富な教師を中途採用で雇用する場合が多く、高い年収を提示するケースが見られます。

また、年俸制を採用しているところもあります。

新卒者の年収は、公立学校と大きく変わらないようです。

常勤講師の場合の年収

常勤講師とは、臨時的任用講師とも呼ばれ、正規採用の先生と同じ勤務時間で働きます。

ほとんどの自治体において、雇用契約は半年から一年となっており、次の年も続けて雇用されるかという保証はありません。

仕事内容は、担任を持たされることもありますし、特別支援学級や少人数指導、専科(音楽や図工などの芸術科目や理科や体育などの準備が大変な科目を専門に請け負う)の教員として働くこともあります。

給与は月給制で、賞与も支給されます。

初年度は22万円程度からのスタートとなり、新卒の正規採用とほとんど変わりません。

賞与もおよそ年2回、4月分貰うことができます。

もし他の自治体での常勤講師経験がある場合には、さらに高い給与からのスタートとなります。

しかし、昇給は少なく、数年単位で比較すると正規採用の先生とは開きができてしまうので、多くの常勤講師の先生は採用試験を合格し正規採用になることを目指しています。

非常勤講師の場合の年収

非常勤講師とは、契約した時間のみ、その学校の直接担当授業だけ、決められた時間に勤務する講師のことを指します。

多くの場合は、担任などは持たず、低学年学級の支援や学習サポーター、特別支援の介助員といった形で働きます。

午前中のみ、8:00-16:00までなど、雇用形態は自治体教育委員会によって様々です。

多くの場合が時給制で、仕事内容にもよりますが1500円~2000円程度が相場です。

賞与や手当などは支給されません。

小学校教師の基本給以外の「年収・給料の構成要素」や昇給について

小学校教師の基本給以外の収入について紹介します。

賞与(ボーナス)

公立学校であれば、年2回、だいたい4月分程度の賞与が支給されます。

私立学校は学校によって異なり、賞与があるところもあれば、年俸制のため賞与は設けていないところもあります。

各種手当

教員にも、いくつか手当てが用意されています。

住居手当

まず、賃貸住宅に住んでいる場合には住居手当が支給されます。

金額は自治体によって様々で、9000円~27000円程度です。

マイホームを購入した場合には、住宅手当はもらえなくなります。

へき地手当

続いて、へき地勤務手当です。

自治体によっては、離島や雪深い山の中の学校へ赴任する場合もあります。

そういった場合に、へき地勤務手当が支給されることがあります。

通勤手当

これは、距離や移動交通手段によって支給額が異なります。

特殊勤務手当

「特殊勤務手当」という教職員ならではの手当ても存在します。

この特殊勤務手当は、さらに様々な種類があります。

例えば、複式学級を担任した際に支給される「多学年学級担任手当」、生徒指導主任や教務主任、学年主任といった連絡調整を密に行うべき役職について場合に支給される「教育業務連絡指導手当」、特別支援学級の担当になった場合に支給される「特別支援教育手当」、宿泊学習の引率に行くと支給される「修学旅行等引率手当」、部活動の顧問に支給される「部活動指導手当」などです。それぞれ日額や月額が定められています。

昇給

公立学校であれば、年1回の昇給があります。

とてもありがたいことに、基本的には公立学校に勤務していれば、基本的に毎年昇給があります。

昇給額は給料表の号数によって様々ですが、1万円程度~上がっていきます。

他にも、所有免許がグレードアップしたときに昇給があります。また、様々な手当てによって年収が上がることが期待できます。

小学校教師の年収の決まり方や、年収が高い人の特徴

学歴や所有免許

短大卒者と4大卒者、大学院卒者では、初任給が異なります。

自治体によりますが、それぞれ2万円ほどの差が生じています。

また、卒業時に授与される免許も異なります。

短大卒者に授与される2種免許状でも採用試験を受け、教員として働くことは可能ですが、採用後に1種免許状に書き換える努力義務が生じます。

つまり、働きながら免許の変更のために、スクーリングなどを受けなくてはならないということです。

早くから働き始められるというメリットはありますが、長く勤務することを考えたら短大よりも4年制大学を目指した方が良いでしょう。

役職

特殊勤務手当がもらえるため、「学年主任」「教務主任」「生徒指導主任」といった主任職につくと年収が高くなります。

しかし、安全主任や清掃主任、給食主任といった担当もありますが、こちらは「主任」とついていても手当がもらえないため、注意が必要です。

詳しくは、働きたい自治体教育委員会名と特殊勤務手当で検索すると調べることができます。

また、教頭や校長といった管理職になると、管理職手当がもらえるため、年収があがります。

地域によって差があるので一概には言えませんが、校長で概ね5~10万円、教頭でおよそ3~8万円の管理職手当が毎月支給されます。

勤続年数

公立学校であれば、毎年昇給が望めます。

そのため、勤続年数が長くなるほど、年収が高くなる傾向にあります。

私立学校は、年功序列式に年収が上がるとは限りません。

年俸制のところもあるため、自分の働きが稼ぎや次年度の継続雇用に直結します。

地域

公立学校であれば、地域手当によって多少の年収額の差が生じます。

これは、その地域の地価や物価などを反映させているものだそうです。

最も高額なのは東京都で基本給の18%が毎月支給されます。

基本給が22万円だとしたら、39000円が手当として支給されます。

他の地域が5~9%程度だと考えると、これは大きな差になりますね。

小学校教師で年収をあげるためにやるべきこと   

今の勤務先でできること

免許をグレードアップさせる

私の経験ですが、就職後に夜間大学院に通い専修免許を取得したところ、年度の途中でしたが昇給しました。(普通昇給は年度が替わるときにしか行われません。)

月々1万円程度の差ですが、苦労が報われたようでとても嬉しく感じました。

2種から1種免許への切り替えでは昇給しない場合が多いそうですが、1種から専修免許への切り替えは昇給が見込めます。

特別支援学級の担任を引きうける

先述の通り、特別支援学級の担任を引き受けると、手当がつくため年収が上がります。

小学校の特別支援学級の担任は、特別支援学校の教員免許を取得していなくても受け持つことができます。

教員になる勉強をするうえで、特別支援の内容は必修なので、ある程度の知識があると見込まれてのことなのでしょう。

主任などを引きうける

主任を引き受けることで、特殊勤務手当がつくため、年収が上がります。

しかし、学年主任や生徒指導主任はとても責任が重い仕事なので、管理職が教職員一人一人の適性をよく見極めて任命します。

こちらが立候補したからと言って、なれるものではありません。

一方、「忙しくなるから」「学級担任の仕事に集中したいから」と言って、主任業務を断る先生も中にはいます。

管理職としては、だれも引き受けてくれる人がいないと大変困ります。

日頃から、「生徒指導に関心があります。」「主任業務を任命されれば精一杯やらせていただきます。」とアピールしていてもいいですね。

ただし、仕事が忙しくなってしまうことは覚悟の上です。

思い切って、小学校教師以外の職へ転職する

教師をしていても、昇給はある程度までしか望めません。特に公立学校では20~30代のうちは昇給が緩やかなので、「もっとしっかり稼ぎたい!」ともどかしく感じる人もいるかもしれません。そんな時には、思い切って転職してしまうのも手でしょう。

転職先の候補1:塾講師

子ども達に勉強を教えてきた経験を生かして、塾講師に転職する方もいます。小学校の免許しかない場合でも、得意な科目があれば中学生や高校生を指導することもできます。塾では必ずしも教員免許の取得を義務付けていないからです。

塾も今や様々な形態があるため一概には言えませんが、学校の勉強の補完をするような成績底上げ系の塾よりも、中学校受験を目指しているような進学系の塾の方が年収が多い傾向にあります。

すぐに正社員として雇用される場合もありますし、半年程度の試用期間を経る場合もあります。

また、年俸制を取っている場合もあります。一般的には25~30万円程度の月収が相場のようです。人気講師となれば、年収が上がる可能性があります。

いずれにしても、エントリー段階でよく雇用条件などを確認することが大切ですね。

塾講師に転職する際に、注意が必要なことがあります。それは、学校の先生をしていた時とは生活時間帯が大きく変わるということです。

塾は学校の終わった夕方から夜、もしくは土日に授業が開講されるため、生活は夜型になりますし、休日はシフト制になるでしょう。

転職先の候補2:通信教育や教材会社

大手の通信教育教材の会社では、中途採用でも多くの人材を雇用しています。

中には、小学校教師の経験を経て、企業に転職する人もいます。転職での年収は応相談となっており、交渉によって変わることも。

自分ができることを最大限アピールできるといいですね。

また、教材会社もたくさん存在します。

教材と言っても、算数セットなどの勉強に使うものから図工のキットまで様々な種類があります。

学校では、色々な会社のカタログを見ながら注文する商品を決めるのです。仕事内容は商品の開発や営業などです。学校現場を知っているからこそ、具体的な提案ができそうですね。

転職先の候補3:経験をアピールできたらどんな仕事でも

小学校教師だからといって、教育関係の転職しかできないわけではありません。大卒資格があれば、あとは自分の経験のアピール次第です。

小学校教師の経験で身に着けたものは何でしょうか。例えば、生活科や総合的な学習の指導をする際に、地域の方の協力を得て体験学習を企画したことがあるとしましょう。

計画書を作成したり、様々な相手との連絡調整を行ったりする中で、きっと企画力・実行力・計画力・コミュニケーション力などが培われたことと思います。

そういった経験を、希望する転職先での仕事とうまく結びつけられれば、よいアピールにつながるでしょう。

まとめ

小学校の先生の年収事情についてまとめました。これからの就職活動や転職活動の参考になれば幸いです。

筆者の紹介

私は小学校教師をしていました。

新卒のころは、非常勤講師として700人規模の大規模校の学習支援サポーターをしていました。

担任の先生とは違い、様々な学級を回り学習に遅れがあったり集団行動を苦手としていたりするお子さんに付き添って、サポートをする仕事です。

その後、250人規模の小規模校で学級担任をしていた経験があります。

学級担任は、3,4年生の中学年を任されることが多かったです。

こういった講師と正規採用の両方を経験してきた経緯などから、小学校教師の年収事情を紹介させていただきました。

最終更新日:2019年6月26日

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