作業療法士の年収を徹底解説|給料・初任給手取り・賞与(ボーナス)・各種手当


作業療法士は、病院や福祉施設、または地域包括支援センターや市役所の行政等で勤務することができるため、世の中の景気に大きく左右されることなく常に安定した収入を得ることが可能な仕事です。

また、作業療法士になるためには専門学校や大学へ最低3年は学校に通い、実際の病院や施設で臨床実習を経て国家試験を合格する必要があり、作業療法士資格取得のハードルも高いため、給料が高いというイメージがあるかもしれません。

そこで今回は現役の作業療法士が、作業療法士の年収や手当等についてデータ(厚生労働省統計データ参照)と共に皆様にお伝えしていきたいと思います。

作業療法士の平均年収は約400万円が相場

結論から言いますと、2018年の統計データでは作業療法士の平均年収は約400万円です。

これは全国平均であり、平均年齢は32.9歳となっています。

作業療法士は近年認知され、有資格者が増加してきた職種ですので、比較的若い方が多いです。

そのため40代~60代のベテランの作業療法士の方の年収はもっと高い水準です。

反対に、若い作業療法士の場合は全国平均より低い水準になります。

また、就職する都道府県により差があり、都会では高い水準、田舎では低い水準になります。

そのため、これから作業療法士を目指す方は400万円より低い年収になると想定してください。

実際に私が作業療法士として新卒で総合病院に入職した際の年収は約350万円程度でした。

作業療法士の年収・給料の構成要素

作業療法士の年収は、「基本給」「資格手当」「ボーナス」「各種手当て」の構成になっている場合が多くあります。

では、以下で詳しく解説していきます。

基本給・能力給・歩合はどれくらい?

まずは「基本給」に関してです。

基本給は勤務先によりバラツキがありますが、ほとんどが月20万円前後で推移しています。

これは施設や病院(国立、公立病院・一般病院)などで若干の差異はあるものの大きな違いはありません。

次に「能力給」に関してです。

作業療法士にとっての能力給とは、経験年数や作業療法士+αの資格や作業療法士協会が行っている認定作業療法士等の資格により変化します。

主な評価対象は経験年数となり、ほとんどの勤務先において経験年数を考慮して能力給を決定しています。

最後に「歩合」に関してです。

作業療法士は歩合という概念はほとんどありません。

しかしほとんどの病院では「ノルマ」が課せられており、ノルマをクリアする必要があります。

作業療法士は20分1単位として診療報酬を算定することができ、1日で最大24単位算定することが可能です。

私が勤務していた病院では1日20単位がノルマでした。

近隣病院でも20単位~22単位をノルマとしている病院が多かったです。

反対に介護保険分野でのリハビリに関しては、ノルマを意識することはありません。

病院の医療保険分野でのリハビリテーションに関しては患者様と1対1で行う決まりがありますので、20単位=400分(6時間40分)となります。

作業療法士は日勤(8時30分~5時30分)が多いため、20単位ノルマの場合は昼休みを除いてほとんどの時間をリハビリテーションに費やすことになります。その他移動の時間や記録業務や事務作業もありますので、残業時間での対応が多くなる場合が多いです。

賞与(ボーナス)はどれくらい?

賞与に関しては、病院と施設で比較すると病院の方が比較的高い水準にあります。

病院では夏・冬の2回で3.5ヶ月~4ヶ月分が多いです。

反対に施設では2.5ヶ月~3.5ヶ月程度と、勤務先によりバラツキが多いです。

また、勤務先によっては夏・冬以外に年度末の春の賞与が設けられている場合もあります。

これらは事前に勤務先に確認しておくほうが無難です。

また、賞与は評価期間での実績に応じて支払う勤務先がほとんどですので、前年度比より多い年や少ない年などのバラツキもあります。

転職する際の注意点としては、中途入職の場合にはいつから賞与が支給されるのかを入職前にしっかりと確認しておくことをオススメします。

各種手当てはどういったものがある?

各種手当てに関しては作業療法士の就職先は医療法人の病院や社会福祉法人等の福祉施設が多いため、一般的な福利厚生(健康保険、厚生年金等)は整備されています。

勤務先により違いがある手当てとしては、住宅手当や通勤手当等があります。

住宅手当に関しては、手当ての有無や上限支給額に違いがあります。

通勤手当に関しては、上限支給額に加え距離に応じた支給額の計算方法(距離ごとの支給額)に違いがあるため、手当て額に違いがでます。

その他、救急病院等では作業療法士や理学療法士等のリハビリ職が管理当直として当直業務にあたる病院もあります。

その際の管理当直手当に関しても、病院により違いがあります。

私自身以前勤務していた総合病院で管理当直をしていた経験があり、その際の手当は約6,000円程度でした。

作業療法士の年収を新卒や雇用形態別に見る

ここでは、作業療法士の年収を新卒や雇用形態別に見ていきます。

新卒の場合の作業療法士の年収

まずは新卒の場合の年収に関して説明していきます。

新卒で作業療法士になる際の年齢として、作業療法士になるためには3年~4年専門学校か大学に通う必要がありますので、おおよそ21歳~22歳で新卒として就職することになります。

21歳~24歳世代の作業療法士の年収として男性平均約324万円、女性334万円と厚生労働省の2018年データにあります。

私自身、新卒で就職した際の年収は約330万円程でした。

社会人が転職する場合の作業療法士の年収(正社員)

次に、社会人が転職する場合の年収についてです。

作業療法士は他職種で社会人経験を経て転職される方も多くいます。

介護職の方や看護師の方、ケアマネージャーの方などが多いですが、全く違う職種から転職される方もいます。

作業療法士は経験年数により年収が増減する職種であるため、社会人経験を経て就職した場合にもほとんどが新卒の年収と同水準です。

しかし、前職での経験や専門知識を活かせる場合もあり、新卒の方よりも幅広い知見と経験により出世の機会や年収アップに繋げることができる可能性が高いです。

パート・アルバイトの場合の作業療法士の年収

最後に、フルタイムではなくパート・アルバイトとして勤務した際の年収です。

こちらは勤務日数や勤務時間に個人差が大きいため、「時給×時間」で計算する方が良いと思います。

時給は勤務先により大きく異なりますが、作業療法士は専門職であるため1,700~2,000円程度と他職種よりも高い水準で推移しているところがほとんどです。

こちらも医療施設や福祉施設、介護保険分野で違いがあります。

特に訪問リハビリ等の介護保険分野での勤務は加算算定が可能な実務経験5年以上を求めている施設が多く、時給が高い傾向があります。

また、私が以前勤務していた総合病院ではパートの方への賞与支給はありませんでしたが、現在勤務している福祉施設ではパートの方へも賞与を支給しています。

勤務先によって賞与の有無も違いますので、賞与支給がある施設かどうかを入職前に確認しておくことで年収アップに繋がります。

作業療法士は、最高でどれくらいの年収まで目指せるか?

作業療法士の最高年収として約590万円程度と統計データが出ています。

この年収額を見てどう感じるかは個人差があると思いますが、現状の診療保険制度ではこれ以上大きく上がることは難しいと思います。

更に、国は医療・介護保険費を削減する様に舵取りをしており、今後年収が下がる可能性も大いにあります。

しかし、統計で出ているデータはあくまでも従業員として勤務している場合の最高年収です。

作業療法士は専門知識や経験を活かしてデイサービスや福祉施設等の経営者になることも可能です。

または、保険診療外での自費の整体院を開業する方も年々増加している背景もあります。

その場合の年収は経営状態にもよりますが、従業員として勤務するよりも上限を大きく上げることも可能です。

しかし、反対に経営が上手くいかなかった場合のリスクもありますので要注意です。

作業療法士はどういった勤務先だと年収が高くなるか?

次に作業療法士の勤務先による年収の違いを規模や勤務先による違いを説明していきます。

規模による違いはあまりなく、10人~99人規模では平均426万円、100人~999人規模では401万円、1,000人以上の規模では420万円、10人以下では408万円と、勤務先の規模により年収格差はほとんど見られません。

違いが大きく出ている勤務先に関しては以下で説明していきます。

国立病院で働く場合の年収

まず国立病院は「厚生労働省が直接運営している病院、または厚生労働省所管の独立行政法人として運営している病院」のことを指します。

国立病院では平均年収288万円となっています。

これは新卒採用での平均値です。

国立病院で勤務する場合には厚生労働省が直接運営している病院では国家公務員となり、その他では基本的に準公務員として勤務することが多いです。

このことから、賞与や昇給は安定しているため年収の上り幅は大きく見込めます。

公立病院で働く場合の年収

公立病院とは「都道府県や市町村等の自治体が運営する病院または診療所」のことを指します。

公立病院では平均年収287万円となっています。

国立病院とほぼ同額です。

公立病院で勤務する場合には基本的に地方公務員となりますが、これは自治体直営の場合のみです。

その他直営以外の病院では準公務員となります。

一般病院で働く場合の年収

一般病院とは「個人が経営している病院」のことを指します。

皆様が住んでいる地域にある病院で一番多く、作業療法士として勤務する際にも最も多いのが一般病院です。

一般病院では平均年収328万円と、国立病院や公立病院よりも年収が高くなる傾向があります。

しかし、上記している様に国立病院や大学病院への就職は国家公務員や地方公務員、準公務員と同じ扱いになりますので各種手当の充実や退職金制度等が優遇されており、どちらが良いかは勤続年数により差が出ますので、明確には判断が難しいと思います。

精神病院で働く場合の年収

作業療法士は上記している身体障害分野の病院だけでなく、精神病院への就職も可能です。

精神病院での平均年収も身体障害分野の病院と大きく変わりはありません。

昔は精神病院の方が危険手当や患者様の数に対して作業療法士の人数が少ない人数で良かったので年収が高かったのですが、現在はほとんど差はありません。

分野による違い

最後に月給平均になりますが、医療分野では平均194,500円、デイサービス等の福祉施設では227,000円、訪問リハビリ等の介護保険分野では269,000円と統計データが出ています。

こちらに関しても医療保険分野である病院の方が賞与や各種手当が多く貰える場合が多いため、年収に換算すると医療分野と介護保険分野で大きな違いはないです。

これから作業療法士になる人へのアドバイス

現在このページを見ている方は作業療法士へ興味や関心があると思います。

作業療法士はやりがいがある素晴らしい仕事ですが、収入面を見ると安定はしているものの決して高くはありません。

また、医療保険・介護保険改定により削減されており収入が減少しているのが現状です。

しかし、同時に作業療法士という仕事が世間に認知されてきており、活躍の場が増えてきています。

市町村等の地域介護予防に尽力し市役所に勤めている方や、自分で会社を立ち上げ地域密着型の施設を運営している方も多くいます。

作業療法士という仕事は来たる2025年問題(団塊の世代が75歳以上の後期高齢者になる事)に直面した際に更に需要が高まる仕事です。

その中で自分自身の強みを活かすことで必要とされる人財となり、収入アップに繋げることができます。

働き出した際に「給料が低い」と残念になることもあると思いますが、腐らずに努力することで可能性は無限大に広がる職種ですので、一緒に日本の健康寿命を延ばす様に頑張りましょう‼

さいごに

今回は作業療法士の年収についてまとめました。

作業療法士は医療の専門職であり、高齢化が進む日本では需要が高い職業です。

作業療法士を目指す方も年々増加しており、個別性を見出すことも大切ですが、なかなか難しいです。

作業療法士として勤務していると、必ず自分の興味のある分野や勉強したいことが出てきます。

その分野のプロフェッショナルを目指すことやオールラウンダーとして自分の幅を広げることで収入は後からついてきます。

まずは目の前にいる患者様や利用者様へベストを尽くすことで貴方の評価は必ず上がります。

素晴らしい仕事ですので、切磋琢磨し努力を惜しまずお互いに頑張りましょう。

最終更新日:2020年1月16日

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