年収の高い業種と聞いて真っ先に思いつくのは医者ではないでしょうか。
しかし、実はパイロットは、場合によっては医者よりもかなりの高給取りなのです。
実際にどのくらい貰っているのか、気になるところだと思います。
そこで今回は、これからパイロットを目指している方や憧れを抱いている方などパイロットに興味のある人に向けて、厳しい審査を全てクリアした限られた人のみがなれる業種「パイロット」の年収をはじめ、勤務形態、必要なスキルなどをご紹介していきます。
目次
閉じる平均の内訳は、旅客機の操縦士の年齢別の年収と、大手日系航空会社、日系格安航空会社、大手外資系航空会社（国営の会社も含みます）、外資系格安航空会社民間パイロット、公的機関パイロットの年収を合わせた平均です。
基本給は機長の場合、80万円～150万円。
副操縦士の場合、50万円～70万円。
能力給は機長資格を取得しているか副操縦士の資格を取得しているかで異なります。
歩合制はありませんが、各種手当として様々な手当が加算され月給が構成されています。
賞与は年に1回～2回で、平均すると100万円～150万円です。
どの企業でもありそうな手当としては、通勤手当、住宅手当、家族手当、年次有給休暇、特別休暇等、傷病休暇、社会保険、児童手当、健康診断あたりでしょうか。
これらは会社の所定の金額が設定され、支給されるものとなっております。
また、パイロットとしての特別な手当としては、乗務手当、早朝深夜手当、パーディアム（就航地にステイするときは1泊ごとに手当が付きます）、航空券割引が挙げられるでしょう。
約400万円ほどになります。
パイロット全体の平均と比較すると少なく感じますが、入社後は副操縦士の資格を取得するための実地、フライト訓練が始まります。
その訓練期間中に支払われる給与となります。
訓練に合格し副操縦士の資格を取得後の年収を平均すると600万円です。
これは国や会社によって異なります。
多いところでは1500万円～2000万円を超えるほど貰える会社もあるようです。
機長の場合、平均的な年収は2000万円です。
機長は、副操縦士として平均十年の経験を積み、機長昇格試験にクリアしなければなることができません。
機長昇格試験には身体検査を含むあらゆる試験が組み込まれています。
簡単な道ではありませんが、夢がありますよね！
日本国内の航空会社に限らず海外の航空会社への転職を視野に入れた場合、5000万円の年収が得られる航空会社もあるようです。
給与は基本給に各種手当が加算されていく仕組みです。
スケジュールにフライトタイムの長いフライトを多く希望することで、より多くの乗務手当を受け取ることができます。
また時差もあるので、早朝深夜手当やステイ先でのパーディアムをもらうことができます。
最近では中国をはじめとする海外の航空会社に就職もしくは転職した場合、それまでのキャリアや資格にもよりますが、平均よりも遥かに高額な年収が見込めるようです。
パイロットを目指している方で国内の航空会社に就職したい場合は、日本国内からヨーロッパやアメリカなどの長距離路線を就航している航空会社ですとフライト手当やステイ先でのパーディアム、早朝深夜手当など多くの手当が付与されるので、そのような側面を重視して就職することをおすすめします。
また、航空会社のパイロットとして働くほかにも、下記の民間の航空会社や公的機関のパイロットとして働くという選択肢もあります。
民間で働く場合、航空写真撮影用小型飛行機、遊覧飛行用やチャーターフライトのヘリコプター、報道機関（TV局や新聞社）のヘリコプター、ドクターヘリなどが挙げられます。
これらのパイロットの平均年収は900万円ほど。
民間の事業会社に就職することが一般的です。
遊覧飛行用やチャーターフライトのパイロットの場合、富裕層向け企業のパイロットなどは2000万円を超えることもあるようです。
公的機関の場合は、航空自衛隊、海上保安庁、消防隊、警察官などが挙げられます。
これらの機関は主に、緊急時や災害時の人命救助、物資輸送、偵察などで活躍しています。
公的機関のパイロットの場合、平均年収は950万円ほどです。
それぞれの機関の採用試験に合格した後、資格取得のためにあらゆる試験を全てクリアしなければパイロットになることはできない狭き門となっています。
パイロットには機長と副操縦士の資格が必要です。
年収を査定するときは、機長なのか副操縦士なのかで年収は変わってきます。
他の職位としてパイロットを育成する教官や、乗員課長、乗員部長、審査操縦士や査察操縦士などの資格を取得することにより年収はアップしていきます。
また操縦士に特化した場合は、フライトスケジュールのパターンからも年収を査定できるのではないでしょうか。
乗員課長、乗員部長、審査操縦士や査察操縦士と昇格するとフライトの時間よりも地上での業務が多くなりますが、一般的な機長、副操縦士はフライト手当が給与の主となりますので、1ヶ月の総乗務時間が分かれば月収、年収を査定できるでしょう。
まずは、将来のキャリアプランを考えること。
副操縦士、機長と昇格した後はパイロットの育成をしていく側を目指すことで、年収アップが見込めるでしょう。
教官、乗務部長、乗務課長へと昇進していくステップもあります。
航空会社では年功序列の制度はなく、操縦技能の高さ、他の乗員からの絶大な信頼やリーダーシップ、コミュニケーション能力が長けていること、上司に気に入られていることなどが昇格の基準となるようです。
上司に気に入られるスキルは「素直さ」ではないかと思います。
入社後の訓練や資格取得後の定期訓練でも教官＝上司なので、指導されたことを素直に聞き入れ改善していく姿勢を魅せることが大事なのではないでしょうか。
それでは次に、パイロットになるために必要なスキルをご紹介します。
航空会社で勤務する場合、何百人もの旅客の命を預かり安全を守る責任のある仕事であり、いつ何が起こるか分からない、また操縦室という限られた空間での長時間のフライト勤務など身体的なストレスがかかる特殊な仕事です。
様々な制約のある業種ということもあり、求められるスキルは多岐にわたります。
旅客機のパイロットは、多くの人の命を預かり安全にフライト業務を遂行しなければなりません。
命を預かっている、任されているという責任を持って業務をしていく姿勢が必要とされます。
飛行機材の不具合、天候不良などの運航に影響すること、また客室でも起こる可能性のある火災やハイジャックなどの緊急事態発生時に最終判断を下すのは機長です。
あらゆる状況の詳細をきちんと把握し、どのように事態を収束させるべきか、冷静且つ適切に判断し行動していく必要があります。
航空管制官、副操縦士や客室乗務員に円滑にコミュニケーションを図り、指示していかなければなりません。
上記の的確な判断、行動するためには、物事を論理的に考える必要があります。
瞬時に判断を下し行動しなければならないため、起こり得る異常事態を想定してその時どうするかと論理的に考えれる力が求められます。
応募資格にもTOEICスコアを指定していたり英会話面接を実施する企業が多いです。
また入社後の訓練にも英語は不可欠で、乗務中の航空管制官とのやりとりも全て英語で行われます。
高度な英語力は必須ではありませんが、日常会話程度の英語力は必要となってきます。
フライトが始まるとパイロットのどちらかが外国人の場合もあるので、操縦室という限られたスペースでのコミュニケーション力としても英語は話せた方が良いでしょう。
パイロットは入社後も半年ないし一年に一度身体検査を受け、基準を満たしている必要があります。
一般的な身体検査より細かくチェックされ、全ての検査は丸一日かかります。
検査結果で少しの異常でも発見された場合は地上勤務となるので、健康には常に気を遣わなければなりません。
身体的、精神的にもストレスのかかる仕事なので、体調管理を徹底しなければなりません。
航空機内は乾燥していますし、就航地によっては寒暖差のあるところもあります。
また国際線のある企業に就職した場合は、時差の関係で昼夜逆転するスケジュールも頻繁にあるので、体調への自己管理能力が問われます。
旅客機パイロットの場合フライト業務はチームで遂行していきます。
旅客機を操縦する前後には一緒に乗務する操縦士とのフライトプランを立てたり、客室乗務員とミーティングをします。
地上係員、整備士、航空管制官、副操縦士、客室乗務員など航空事業者との連携でフライト業務を遂行していることを念頭に置いて適切なコミュニケーションを取ることや、機内最高責任者機長に昇格した場合でも独断で判断したり威圧的に感じたりさせないことなども必要となってくるでしょう。
ここまで読んでいただいた内容の通り、パイロットは非常に高い年収が望める職種です（日本のあらゆる職種の平均年収は約400万円）。
年々、世界的に見ても航空会社は増加の一途を辿りパイロット不足とも言われています。
現在、パイロットの平均年齢は43歳で、ベテランパイロット（60歳代の方）の比率が高いです。
この比率では、2030頃にはパイロット不足が今よりももっと深刻になっていくことが予想されています。
そこで、これからパイロットになろうと考えている方に、パイロットになるために必要なスキルをいくつかご紹介していきます。
まずは、パイロットになるためのはどのようなステップを踏んでいけば良いのかご説明していきます。
パイロットになるためには、大学卒業後に自社養成訓練のある航空会社に就職するか、独立行政法人「航空大学校」に入学して在学中に指定された免許を取得し、卒業後に航空会社の採用試験を受けるという二つのパターンが一般的です。
いずれも大学を卒業してから入社する場合です（応募資格が大学卒で募集をかけている会社が大半ですが、大卒でなくても応募できる企業もあるのでそのような方にもチャンスはあります）。
航空大学校に入学するには応募資格に年齢制限があります。
また、近年では航空大学校に進学しなくても、大手航空会社と私立大学が提携を結んで大学在学中に必要なライセンスを取得できる学科もあるようです。
パイロットになることは競争率が高く狭き門ですが、応募資格を得るための手段が年々増えているので、しっかりと準備をして挑戦する価値は多いにあるのではないでしょうか。
パイロットになるために必要な応募資格としては、年齢制限があるものでは上記のいずれかで学校を卒業していることです。
しかし年齢制限を設けていない募集に応募することも可能です。
そのためには国内外の民間の養成訓練を自費で受け、ライセンスを取得するという方法があります。
民間のパイロット養成訓練スクールは社会人経験があってパイロットとして転職したい方も入学することができます。
学費はかなり高額となりますが、条件に当てはまれば奨学金制度なども活用できるので、金銭的な問題でパイロットになりたいという夢を諦めている方も一度調べてみることをおすすめします。
パイロットの年収がどのように構成されているのか、パイロットになるために必要なプロセス、必須スキルをお伝えしてきましたが、いかがでしたでしょうか。
パイロットになるには新卒入社だけでなく、他業種からの転職も夢じゃないこともお分りいただけたのではないでしょうか。
ここ数年では女性のパイロットもかなり増えてきました。
女性パイロットを題材にしたドラマも放映されていましたし、客室乗務員だけでなく近い将来はパイロットも女性に人気の職業となるかもしれませんね。
採用試験の応募資格には身長制限はありますが、女性も活躍できる業種です。
今パイロットを目指している方やパイロットの高収入の内訳が気になった方々の参考になりましたら幸いです。
最終更新日：2020年6月25日
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