脚本家の年収を徹底解説|給料・年収の決まり方や年収が高い人の特徴


耳慣れた職業でありながら謎の多い「脚本家」、その年収相場はどのくらいなのでしょうか。

週刊誌やネットの情報からは、巨額の収入を得ているとイメージされる芸能界ではありますが、実際のところはどうなのでしょう。

この記事では「脚本家の年収の決まり方(決められ方)」「脚本家の年収アップの方法」「プロの脚本家として収入を得て生活をする方法」を中心に、脚本家経験のある筆者が、脚本家の収入(ギャラ)についてご説明します。

脚本家の年収の相場はどのくらい?

脚本家の平均年収は480万円~560万円と言われていますが、これはあくまで「平均」であることに他なりません。

というのも、脚本家という職業は個人によってその収入に大きな差があり、年収1,000万円以上を稼ぐ売れっ子脚本家もいれば、仕事の依頼が無く殆ど収入を得られず別で生計をたてている脚本家も少なくないからです。

年収体制

脚本家の仕事は基本的には固定給や月給制を採用しているケースはほとんどありません。

脚本家の給与は、作品毎に発生するギャラ(報酬)を受け取る形となります。

ギャラは作品のボリュームとネームバリューで決定されます。

また、脚本家は仕事を受ける際にプロデューサーとギャラの交渉を行います。

双方がギャラに納得して初めて仕事が始まります。

ギャラの相場

ドラマや映画の場合、ギャラの相場は「1分につき1万円」と言われています。

もちろんこの数字はしっかりとしたスポンサーがついて、潤沢な製作費が存在している場合に限ります。

その様な仕事を請けるようになるまでには経験や運、実力が必須です。

そして、その少ない席を勝ち取ることが出来るのは脚本家の中でもほんの一握りの人たちとなります。

インターネット上で募集をしている脚本ではYouTubeの脚本などがあり、こちらに関しては1本3千円ほどが相場の様です。

脚本家として名前が売れるまでは、脚本家だけで生活をするのはなかなか難しい傾向にあります。

しかし、しっかりと自分の名前にブランドがつき安定して脚本の依頼が来るようになると、平均を大きく上回る収入を受け取ることが出来るのも脚本家の魅力的な特徴の一つでもあります。

そういった意味では、脚本家は夢のある仕事と言えます。

収入の相場はあるようでない職業

脚本家の収入の相場はあるようで無いというのが現状です。

作品によって予算が異なるという意味でもそうですが、脚本家の収入はその脚本家自身の価値でもあるからです。

クライアントが脚本家に執筆依頼をする際、その脚本家のプロフィールや過去の作品を踏まえた上でギャラを決定します。

後ほど、詳しくご紹介しますが脚本家(脚本自体)にはハッキリとした相場というものはありません。

年収にも響いてくる基本給以外のものは、どうなっているの?

二次使用料

ドラマの場合は、再放送がされた場合に二次使用料として収入を得る事が出来ます。

また、媒体に関わらず、書籍化・DVD化された場合にも執筆料とは別に二次使用料を受け取ることが出来ます。

賞金

主にアマチュア(事務所などに所属していない人)の脚本家向けに、デビューのチャンスと共に賞金が用意されている賞レースが存在しています。

賞金は数十万円から数百万円と、とても魅力的です。

賞によっては放送や書籍化などの特典がついており、それに伴うギャラも発生するというケースもあります。

賞レースで大賞を獲得しゴールデンの枠で放送された連続ドラマの脚本家として華々しくデビューを飾った脚本家も少なくなく、賞レースは関係者にとっても注目の的となっています。

そういった意味では大賞を獲得するに至らなくても業界関係者の目にさえ留まれば、デビューをすることも出来るのです。

プロット

脚本家の仕事は脚本(台本)を書くことだけではありません。

脚本の前段階の状態、いわゆる構成段階のものを「プロット」と呼びます。

漫画業界では「ネーム」と呼ばれているものです。

プロットを書くことでもギャラを得ることが出来ます。

また、アマチュアの人や脚本家を目指している人は、たくさんのプロットを書くことはとても大切です。

脚本(プロット)を書く練習になるのはもちろん、脚本家はたくさんのストックがあるに越したことはありません。

脚本家にとって、プロットのストックは「ネタ帳」を作る事と同じなのです。

お金は発生しないけど大事な仕事

脚本家は脚本を書くことだけでなく、その前の段階、脚本を書き終えた後に発生する諸々も、その仕事に含まれます。

脚本を書く前に打ち合わせを重ねたり、脚本を入稿した後に撮影や稽古の現場に行ったり、作品の打ち上げはただの飲み会ではなく大事なビジネスの社交場でもあります。

家でパソコンと向き合い脚本を書いているというイメージが強い脚本家ですが、人とのコミュニケーションがとても重要す。

脚本家は自分で営業をして仕事を得たり、自らの作品をプロデュースしたり、多様な能力が必要とされます。

収入に直接的な影響はありませんが、長く脚本家として仕事をするにはやらなければならないことがたくさんあると覚えておきましょう。

年収が高い人は何が違うの?

同じ脚本を書く場合でも、脚本家によって収入に大きな差があります。

では、収入の高い脚本家と低い脚本家では何が違うのでしょうか。

芸術家としての側面も持ち合わせている脚本家ではありますが、ここでは、ビジネスとしての脚本家という立場を理解しつつ、収入の差についてご紹介します。

脚本家としてしっかりと稼ぎ、仕事として成り立たせたいと思っている人は、ここの項目でご紹介する要素をしっかりと身に付けられるように心掛けてみて下さい。

ネームバリュー

脚本家として最も重要な要素のひとつに「ネームバリュー」があります。

どんな仕事にも言えることですが「この人に書いてもらいたい」とクライアント(プロデューサーや監督など)に思われることが大事です。

同時にそう思ってくれる人が多ければ多いほどにギャラ(報酬)は上がっていきます。

需要と供給がそのまま反映されるのが脚本家の世界です。

しかし脚本家としてのブランド力を上げるには、地道にコツコツとおもしろい脚本を書くか、大きなヒット作品を生み出さなければなりません。

集客力

前述した「ネームバリュー」の重要性をもっと詳しく説明します。

「ネームバリュー」のある脚本家はお客さんを劇場に呼ぶことが出来ます。

映画や舞台、ドラマは芸術世界ではありますが、興行として成り立たせなくてはいけません。

例えば、映画では観客を、舞台ではチケットを、ドラマでは視聴率を、最近ではYouTubeの動画の脚本もありその場合は再生回数を稼がなくてはなりません。

お客さんを呼べる(ファンのついている)脚本家というのは、出資者(スポンサー)が儲けを出す上では非常に大事な要素です。

大ヒットを飛ばした作品の後は注目度も高く、集客力の高い旬の時期といえます。

そのため、大ヒットを飛ばした作品の次の作品はギャラが大幅にアップします。

脚本家は芸術家でもあるため、必ずしもお金を目的とした人だけではありませんが、ギャラを得てプロとして活躍するには集客力は無視する事は出来ません。

媒体

「映画」「ドラマ」「舞台」「YouTubeなどのスマホ」「PC向けサイトの動画」それぞれの媒体によってギャラが大きく異なります。

予算によってギャラはピンキリではありますが、脚本家として高い収入を得たいと考えるのなら、映画とドラマを中心に脚本を書く事をおすすめします。

ドラマも放送される時間帯によって大きく予算が異なりますので、その点は注意が必要です。(それでも舞台や動画よりも高い収入を得る事が出来ます)

しかし、ギャラの高い映画やテレビ媒体の脚本はとても人気が高く、それの脚本を書くことはとても大変なことでもあります。

大勢の脚本家がそこを目指し、少ない椅子を狙い奪い合っているのも現実です。

そのため、まずは少ないギャラでも舞台などでコツコツと集客力と腕を上げるというのも重要なことです。

執筆の早さ

当然のことではありますが、執筆が早く、数をこなすことの出来る脚本家は多くの収入を得ることが可能です。

また、脚本家は直しの多い仕事でもあるので、直しにも迅速且つ柔軟に対応が出来るスキルが必要となります。

執筆の早さ、レスポンスの早さは才能や性格に依るところもありますが、なるべく心掛けるようにしましょう。

脚本家の収入の決まり方

脚本家の場合、他業種とは異なり「基本給」「賞与」「残業代」というものは存在しません。

脚本家というのは、フリーランスの個人事業主であることが多いためです。

一部、マネジメントオフィスなどの企業と契約している脚本家もいますが、その場合でも一般企業とは給与体系は異なります。

では、脚本家の収入は、どのように決定されるのでしょうか。

実績と実力

脚本家は若手とベテランでギャラが大きく異なります。

その差は実績と実力の差です。

言い方を変えると、「若い人にチャンスをあげる」場合と「是非この脚本家にこの作品の脚本を書いてもらう」場合とでは、クライアントの立場からしたら、同じ脚本の依頼をするにもその意味が全く違います。

その意味合いの違いがギャラの差としてハッキリと現れます。

脚本家はドンと構えて、偉そうに椅子にふんぞり返って作品を語ることが出来るとイメージされがちですが、それは実績と実力、ネームバリューや集客力などの全ての要素を持ち、お金を生み出すことの出来る一部の大物脚本家だけです。

ギャラの交渉

フリーランスの場合、自らギャラの交渉を行うことがほとんどです。

基本的には若手の内はギャラを提示されたら首を縦に振り依頼を受けることしかできませんが、経験を積んできたら自分の脚本家としての価値をしっかりと見極めてギャラの交渉を行わなければなりません。

実力はもちろんではありますが、実は人間性と将来性も査定に響く要素であることを忘れてはいけません。

具体的な例を挙げると、舞台の脚本の依頼で当初「執筆料20万円」という条件で脚本を書いても、クライアントが「今後もお世話になるかもしれない」「今のうちに囲っておきたい」という思惑を抱いてもらえている場合には、ギャラで25万円を受け取る事があります。

これを「色を付ける」と言います。

これから脚本家になりたい人へ

最後に、これから脚本家を目指す方向けに、筆者が実際に経験して感じたことをご紹介します。

夢の実現のために厳しいことも含まれますが、脚本家として最低限心得ておかなければならないのは、以下の3点です。

プロの脚本家として活躍するのはとても大変

脚本家は現在でもとても人気のある職業です。

脚本家になるためのスクールも存在していて、老若男女たくさんの人が脚本を学び夢を追いかけています。

賞レースにおいても、一つの大賞の座を狙い、多くの脚本家志望者が応募をしています。

フジテレビが主催をしている「ヤングシナリオ大賞」(通称、ヤンシナ)では毎年1600通を超える応募があります。

そこで賞を獲得し、デビューをしたとしても安定した仕事を請けることが出来ずに廃業する人もたくさんいます。

「売れること」に加えて「売れ続けること」は非常に困難であり、一握りの人しか達成することが出来ません。

正直なところ脚本家は儲かるの?

先にも述べたように、脚本家は儲かる人、儲からない人の差が大きい職業です。

そして脚本家としてしっかりと収入を得る事が出来る人はとても少なく、一握りどころか実際には一つまみ程度です。

脚本だけを書いて生活をすることも難しい業界です。

脚本家として安定した仕事と収入を得るには前述した理由から長い時間が掛かります。

そのため、儲かる脚本家になるためには「脚本を書くことが好き」「自分には脚本家しか無い」という要素が何よりも大事なのです。

しかし、近年ではYouTubeの脚本の仕事が生まれたり、スマホ向けゲームアプリの脚本に注目が集まったり、と市場は拡大しています。

単価の低い仕事がその大多数を占めていますが、仕事量(需要)自体は昔よりも増えています。

そのため、前述した「執筆の早さ」という要素も、多くの収入を得るためには重要な条件と言えます。

いきなり売れる脚本家はいない

芸術の世界でもありますので、その価値を人に見出してもらえるまで苦労続きの下積み期間が存在します。

また、実力があったとしても脚本家として脚本を発信し、クライアントの目に留まらなければ、仕事の受注に至ることはありません。

家で脚本を書き、パソコンに保存し続けるだけではクライアントの目に留まることは永遠に叶いません。

そのため出来るだけ多くの人の目に留まるように工夫をして発信をしなければなりません。

ここで必要となってくるのが「自己プロデュース能力」です。

自分をどんな場でどの様に売り込むことが効果的なのかを考えなければなりません。

そして、依頼が無く脚本を仕事として書く機会をなかなか得ることが出来なかったとしても脚本を書き続けなければなりません。

たくさんのプロットを書き、たくさんの脚本を書いて、来るべきチャンスにいつでも備えるようにしましょう。

まとめ

作品と共に脚本家として自分の名前を世の中に発信し残すことの出来る脚本家という仕事にはロマンが詰まっています。

また、大ヒット作品を生み出すことが出来れば大きなお金を得るというのも夢ではありません。

安定感が無く、不安になることも多い脚本家という仕事ですが、夢のある職業でもあると言えます。

脚本家を目指しているのなら、まずは出版業界、音楽業界、テレビ業界の仕事に就き、業界のルールを事前に学んだり、人脈を拡げることをおすすめします。

脚本家としての求人はあまりありませんが、そういった業界からデビューをした人は多くいます。

また、そういう人は人脈などの強い後ろ盾のお陰で、比較的安定して仕事を得ることも出来ます。

足掛かりになりそうな自分に合った業界をいくつかピックアップして、比較・検討することを強くおすすめします。

何事も、経験することは全てが自分の糧となる職業です。

常にアンテナを張り、視野を拡げ、様々な経験を積むことが、ひいては年収アップにも繋がるのではないでしょうか。

最終更新日:2019年6月25日

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