国税専門官の年収を徹底解説|給料・初任給手取り・賞与(ボーナス)・各種手当


国税専門官とは、納税者が納税義務をきちんと果たしているか確認するお仕事です。

細かく分けると、「国税査察官」「国税徴収官」「国税調査官」があり、テレビや映画でその名前を聞いたことがある人も少なくないでしょう。

「国税査察官」は別名マルサと言われており、この呼び名ならピンと来る人も多いはずです。

これから国税専門官になろうとする場合、気になるのがお金のことです。

どんなにやりがいがあるお仕事だとしても、まともな生活ができないなら、なるか躊躇ってしまうはずです。

この記事では、国税専門官の平均年収、年収の構成要素、仕事内容別の年収、最高年収、年収が高い勤務先などについて説明しています。

最後の方には、将来、国税専門官になりたい人へ向けたアドバイスもあります。

この記事を見れば、国税専門官になった際のお金のことに関する疑問が、すっきり解消されるでしょう。

国税専門官の平均年収は、600万円前半~700万円前半が相場

結論から言うと、国税専門官の平均年収は、600万円前半~700万円前半程度です。

この額の年収を貰えるのは、4級~6級の国税専門官です。

国税専門官の年収を推測する上で非常に参考になるのが、税務職俸給表です。

税務職俸給表では、月額俸給(月の給料)が明らかになっています。

これに賞与や各種手当が加わり、年収が算出されます。

国税専門官の年収が、他の公務員やサラリーマンと比べてどうなのか知りたいことでしょう。

公務員の年収は600万円台で、細かく言うと、国家公務員約690万円・県職員約650万円・市職員約630万円。

サラリーマンは、410万円~440万円程度です。

国税専門官は、公務員含めた国内で働く労働者の中でも、収入的には恵まれていると言えるでしょう。

公務員の給料は、人事院が毎年実地している民間企業の給与基準調査による影響を受け上下します。

しかし、特定の企業の数字を参考にするわけではないので、年収の上下幅は安定しています。

国税専門官の年収の構成要素

基本給はどうなっているの?

国税専門官の基本給は、税務職俸給表により明らかになっています。

税務職俸給表では1級~10級という記載があり、この級は職務の級で、職務の複雑さや困難さ、責任の度合いなどにより決められます。

級が上がると基本給は多くなり、例えば2019年11月時点では、1級の22号棒の俸給月額が208,800円、9級の22号棒の俸給月給だと510,100円となっています。

級が上がる際には、以下のことが重要視されます。

  • 職務内容
  • 経験年数や在級年数
  • 能力
  • 勤務成績

など

なお、国税専門官の級を上げる際に無視してはいけなのが勤務成績です。

勤務成績の評価をするのは上司。そのため、調査能力があることはもちろんのこと、上司から好印象を得られるようにするのが出世するポイントです。

国税専門官は体育会系の人が多く、上司の指示を素直に聞くと好感が持たれます。

また、飲み会やマラソン大会などのイベントも多く、それらに参加して、そこでの上司の話を真摯な態度で聞くと高評価です。

出世するには、「傾聴力」も必要です。

賞与(ボーナス)はどれくらい?

年収に大きな影響を与えるのが賞与です。

ボーナスは、俸給月額に比例して多くなるので、級が上位なほど高くなります。

国税専門官の夏冬合わせた賞与の目安は以下の通りです。

  • 20代前半 約104万円
  • 20代後半 約130万円
  • 30代前半 約142万円
  • 30代後半 約162万円
  • 40代前半 約183万円
  • 40代後半 約204万円
  • 50代前半 約219万円
  • 50代後半 約210万円
  • 60代前半 約148万円

賞与に関しても、他の公務員やサラリーマンと比較してどうなのか知りたいはずです。

管理職や非常勤以外の一般行政職の国家公務員が貰える夏冬合わせた賞与は約138万円です。

国税専門官の賞与は、一般的な国家公務員と同等以上なことが分かります。

サラリーマンの場合だと、夏冬合わせて約77万円です。

民間企業の場合、全体のおおよそ3割は賞与が出ません。

また、自然災害や疫病の影響などにより、賞与額が大幅に減ることも。

こうして考えると、国税専門官の賞与は民間よりも魅力が多いと言えます。

各種手当や福利厚生はどういったものがある?

国税専門官の主な手当は以下の通りです。

  • 期末・勤勉手当(賞与に該当)
  • 扶養手当
  • 通勤手当
  • 住居手当
  • 地域手当
  • 俸給の特別調整
  • 時間外勤務手当

など

期末・勤勉手当以外の手当に関して、平均的なことを言えば、扶養手当約12,300円、俸給の特別調整約12,700円、地域手当約39,500円、住居手当約3,200円といった感じです。

もちろん、住むところが違えば地域手当の額も変わるので、参考までに留めておく必要があります。

福利厚生は以下の通りです。

  • 健康診断
  • 人間ドック(一定年齢以上の職員)
  • 国家公務員共済組合連合会などで経営している、または契約している、全国各地にある病院や診療所・ホテル・スポーツクラブなどを利用できる(家族も含む)
  • 育児休業手当金等の給付
  • 住宅資金貸付等の貸付制度
  • 退職手当
  • 老齢厚生年金

など

これだけ各種手当が充実していて福利厚生もしっかりしていると、安心して働けるでしょう。

良い仕事をするためにはやはり環境が大切ですが、勤務先の環境の良さは民間企業も含めてトップレベルだと言えます。

初任給はいくらくらい貰えるの?

大卒で国税専門官になる場合を想定した初任給は、基本給に加えて各種手当が付いて、額面で約24万円です。

手取り額を大まかに言うと額面の0.8になるので、約19万円になります。

もちろん、地域手当の額や残業代の有無や額により額面も手取り額も異なってくるので、参考までにしましょう。

国税専門官の初任給は、国家一般職より約2.5万円高いです。

年間で計算すると数十万円レベルの違いになるので、無視できません。

仕事はじめはスーツや鞄なども必要ですし、奨学金の返済もあり、思ったより生活がカツカツになることも少なくありません。

この月数万円の違いは結構大きいと言えるでしょう。

大卒で民間企業に就職した場合の初任給は、約20万7千円です。

初任給においても、国税専門官は民間企業に就職したより恵まれていると言えるでしょう。

初任給の手取り額以外にも、賞与の手取り額も気になると思います。

国税専門官になった年の賞与は、夏が約15万円・冬は約51万円で合計約66万円です。

賞与に関しても、手取り額は大まかに言うと0.8がけになるので、手取り額は約53万円になります。

国税専門官の仕事内容別の年収を見る(国税専門官になった場合に将来的にできる仕事内容と年収を含む)

国税専門官は級があることを説明しましたが、何級かにより職務の内容が分かると同時におおよその年収も知ることができます。

  • 1級の場合(勤続年数目安約4年)租税の賦課や徴収に関する定型的な業務を行う職務:想定年収約344万円
  • 2級の場合(勤続年数目安約8年)税務署の主任の職務など:想定年収約418万円
  • 3級の場合(勤続年数目安約13年)国税調査官、国税査察官、国税徴収官など:想定年収約490万円
  • 4級の場合(勤続年数目安約22年)税務署の上席国税徴収官や上席国税調査官など:想定年収約612万円
  • 5級の場合(勤続年数目安約29年)税務署の統括国税徴収官や統括国税調査官、困難な業務を処理する上席国税徴収官など:想定年収約681万円
  • 6級の場合(勤続年数目安約32年)税務署の相当困難な業務を処理する副署長や困難な業務を所掌する統括国税徴収官など:想定年収約715万円
  • 7級の場合(勤続年数目安約35年)規模の大きい税務署の長や税務署の困難な業務を処理する副署長など:想定年収約741万円
  • 8級の場合(勤続年数目安約37年)特に規模の大きい税務署の長など:想定年収約772万円
  • 9級の場合(勤続年数目安約37年)きわめて規模の大きい税務署の長など:想定年収約832万円
  • 10級の場合 国税局のきわめて重要な業務を所掌する部の長の職務:年収のデーターはないですが、職務の重要性を考えて9級の約832万円以上となります。

国税専門官は、最高でどれくらいの年収まで目指せるか?

10級が最高年収になり、各種含めると年収ベースで1000万円以上も可能だとされています。

ただし、大卒程度の国税専門官が出世できるのは税務署長までが現実的な話となっています。

それも、国税専門官100人いたら1人税務署長になれるかというレベルの狭き門です。

国税専門官でキャリアを積んだ人が最高で目指せる年収は、現実的には規模の大きい税務署の長・特に規模の大きい税務署の長・きわめて規模の大きい税務署の長、つまり7級~9級の741万円~832万円程度が目安になるでしょう。

もしも地方国税局の局長クラスになりたいのであれば、国家総合職に合格し財務省に採用されキャリアを積む必要があります。

国税専門官はどういった勤務先だと年収が高くなるか?

9級・10級が最高年収になります。

9級は、きわめて規模の大きい税務署の長の職務などです。

10級は、国税局のきわめて重要な業務を所掌する部の長の職務です。

どちらの級に上がるのも、非常に困難です。

そのため、最高年収を目指すなら、国税専門官になった当初から出世するための行動をスタートしなくてはいけません。

幸いなことに、国税専門官になった人は身分保障が図られ長年高収入を得られるので、出世するための行動をしない人も少なくありません。

これから国税専門官になる人へのアドバイス

国税専門官になるのは、簡単なことではありません。

国税専門官の採用状況は以下の通りです。

  • 平成27年度試験申込者数13,197人、採用者数1,154人
  • 平成28年度試験申込者数16,501人、採用者数1,043人
  • 平成29年度試験申込者数16,168人、採用者数1,109人
  • 平成30年度試験申込者数15,884人、採用者数1,158人
  • 令和元年度試験申込者数14,238人、採用者数約1,200人(採用予定)

近年の採用率を見れば、基本的に落ちる確率の方が高い採用試験です。

筆記試験では、会計学や商法などの大学で習うような専門知識に加えて数学的素養も問われます。

筆記試験は簡単ではありませんが、資格試験予備校を利用し効率的な学習方法を取り入れれば、合格レベルに届くでしょう。

採用試験で重要視されるのは、面接試験です。

面接試験では、一緒にこの人と働きたいと面接官に思わせたら勝ち。

この人と働きたいと思わせるには、当たり前のことを当たり前にするだけで充分です。

目の前にいる人のことを思いやり、挨拶をきちんとして、人の目を見て話すようにするなどの基本的なことを忠実にするだけでも、好感を持ってもらえます。

幸いなことに、近年国税専門官は足りていないので、採用率を見れば分かるように合格難易度は下がってきています。

そのため、国税専門官になるなら今が好機だと言えるでしょう。

国税専門官の採用試験では、学歴や学部は問われないと言われているので、多くの人に採用されるチャンスがあります。

高校までは勉強をさぼっていた人でも、大学から猛勉強をすれば国税専門官になることは可能です。

学習時間の目安が1,500時間程と言われているのが、国税専門官の採用試験です。

勉強は早い方が良いですが、大学3年生からの勉強でも間に合います。

2020年度試験は、第1次試験が6月7日で、第2次試験が7月8日~7月17日です。

例年この時期に試験が行われるでしょうから、この試験日に合わせて、学習時間を計算し学習をスタートしましょう。

さいごに

国税専門官の仕事は、法律に従い納税者がきちんと税金を納めているか確認し、もしも適切な納税をしていない人がいれば、税問題解決のために厳格な態度で挑むことがあります。

そのため、問題ある納税者に対し毅然とした態度を取れる正義感が強い人におすすめの仕事です。

また、国税専門官は、細かな数字を見ることが求められる納税者の確定申告のチェックがあるため、数字に強くねばり強くもある必要があります。

もし、自分が「正義感が強い」「数字に強い」「粘り強い」ということであれば、あなたは、国税専門官に向いています。

この記事を見て国税専門官にちょっとでも興味がある人は、ぜひ学習をスタートしてみてください。

最終更新日:2020年5月14日

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