助産師の年収を徹底解説|給料・初任給手取り・年収アップのコツ
助産師というと、生命の誕生の瞬間に立ち会う厳粛なお仕事のイメージですが、実際その年収相場はどのくらいなのでしょう。
助産師は、助産師免許に加えて看護師の免許がないとなれず、また専門的な知識と技術も必要な為、必然的に年収は高くなります。
少子化問題を覆す今現在、助産師の重要性、そして年収アップのために何をすれば良いかをご紹介していきます。
※「助産師とはどんな仕事か?」が気になる方は、この記事の最後に簡単な概要も記載していますので、そちらをご覧ください。
助産師の年収相場は?
助産師の平均年収に関してですが、先述した通り高めとなっています。
年齢が上がるにつれて経験も積んでいくため、それに伴い年収も高くなっていきます。
平均年収は550万円前後であると考えてください。
ちなみにこれは、看護師の平均年収よりも高いとされています。
新卒採用の助産師の年収相場
国立病院の定めた給与規定によると、助産師で新卒採用された場合の基本給は、月収にしては大体20万円前後です。
これに各種手当等が追加され、平均年収は320万円~390万円程となります。
上記に関しては、「独立行政法人国立病院機構」の平成29年度の実績に基づいたものなので、あくまで参考までにお考え下さい。
新卒採用の場合、助産師の経験自体は当然ない為、助産師全体の平均年収と比べると乖離があります。
助産師や看護師といった職業は、特に経験値を重視される、というのがその理由です。
他の職業と比べると、そこそこ高い方ではあります。
助産師の経験者で中途採用された場合の年収相場
助産師の経験者で中途採用された場合の基本給は、月収にして25万円くらいです。
年収にして、およそ450万円~550万円といったところでしょうか。
ただ、この金額は年齢によって変わるため同じとは言えません。
どのくらい経験を積んでいるのかにもよりますし、年齢が若ければもう少し下の可能性もあります。
未経験の助産師で中途採用された場合の年収相場
助産師未経験者で中途採用というと分かりにくいかもしれませんが、元々看護師として働いていたが助産師免許を取り、助産師としては未経験で中途採用となったというケースなどがあります。
またクリニックで働いていたけど、大きな病院にかわったというケースもあります。
中途採用ですと元々看護師として働いていた経験は考慮されますが、助産師として働いた経験がないため年収相場は高くありません。
大体基本給は、月収にして20万円~25万円くらいでしょうか。
平均年収は、上記に挙げた新卒採用の場合と助産師経験者の中途採用の場合のちょうど中間といったところです。
助産師の年収の決まり方
助産師の年収の決まり方に関しては、やはり経験が重要視されます。
最初から助産師として働いている方は別ですが、助産師として転職される方もいます。
そういう場合年収はどう変わってくるのか?見ていきましょう。
基本給以外のものはどうなっているの?
基本的に医療系の福利厚生は充実していると思ってください。
何故医療系の福利厚生は充実しているのか?というと、危険なこともやらなければいけないからです。
社会保険、賞与、昇給は充分に望めます。
賞与に関しては月収の1、2ヶ月分くらいあります。
その他退職金、住宅手当、交通費に関しては、勤務先によって規定が異なるため絶対にあるとは言えません。
当たり前のように退職金を考えておられる方も多いのですが、退職金に関しては、今でもないところは結構ありますから。
勤続年数
先にも述べた様に、助産師にとって勤続年数は大切です。
助産師や看護師は人手不足だと言われており、どこでも務めることは可能ではあります。
そのためちょっと嫌になったらすぐに別の勤務先に行くという方が実は多いんです。
キャリアを積んでいる人であれば問題はないのですが、勤続年数が高い人ほど昇給の期待できる職業なので、下手に転職しないことをおすすめします。
勤務地域は年収に影響する?
勤務地域によって年収に差のある職種も多いかもしれませんが、助産師は地域的にはそんなに年収幅は変わりません。
人口が極端に少なく需要の乏しい様な余程の田舎ではない限り、そこまで低いという訳ではないのです。
確かに、年収が高い傾向にあるのは首都圏ではあるのですが、助産師の場合はどこも人手が足りておらず常に募集しているため、そこまで低いということはありません。
助産師の年収を上げるためにやりたい8つのこと
元々年収が高めに設定されている助産師ですが、更なる年収アップの為に出来ることは何でしょうか。
人との関りが非常に深い助産師というお仕事は、年収アップに繋がるポイントも他職種とは少し異なります。
では、具体的に見ていきましょう。
独立開業する
独立開業することは、年収を大幅にアップさせる方法の一つです。
助産所って聞いたことはありませんか?
助産所の経営者は女性が多いのです。
法人でも個人でも開設することは出来ますが、ある程度資金がないと難しいので、当然簡単な話ではありません。
リスクも伴います。
しかし需要はあるので、思い切って挑戦してみるのも手でしょう。
ちなみに助産所とは助産師が助産を行う場所であり、新生児や褥婦への指導も行います。
仕事内容的には病院と相違ありませんが、、こちらは家での出産を望んでいる方向けのものになります。
助産師としての経験を積む
新卒者や若い方はある程度経験を積みましょう。
そうでないと話になりません。
すぐに芽が出る話ではないため諦めてしまう人も多いかもしれません。
しかし経験を積むことによって自分を成長させることが出来ます。
どの職業にも言えることですが、嫌々お仕事をしているような方ですと、自分を成長させることは出来ませんので、当然年収も上がりません。
コミュニケーションスキルをアップさせる
一番良いのはスキルをアップさせることですね。
助産師のお仕事で他者に圧倒的に差を付ける能力というと、コミュニケーション能力や気配りでしょう。
基本的に医療系のお仕事はコミュニケーション能力は必須となります。
これは助産師に限った話ではありません。
助産師は、看護師、医師、臨床検査技師、診療放射線技師、患者、病棟クラークなど色んな人達と連携を取らなければいけないお仕事です。
筆者の身内には臨床検査技師がいるのですが、人によっては看護師や助産師と相性が悪いと感じることもあるようです。
コミュニケーション能力が乏しい人は、職場の同僚だけでなく時に患者さんをも追い詰めてしまいます。
気配りが出来、コミュニケーション能力の高い助産師は、患者さんの気持ちを軟化させることが出来るので、あらゆる人から評判が良いです。
たかがコミュニケーションと思う方もいるかもしれませんが、助産師にとって最も大切なスキルの一つなのです。
ミスをしない
これもまた当たり前のことかもしれませんが、ミスは極力しないように気を付けましょう。
医療系のミスに関しては致死レベルのものも多いため、本来は絶対してはいけないものです。
しかし助産師も人間であるため、ミスをしてしまうこともあります。
ミスをしてしまう時というのは注意力散漫になっている状態ですね。
簡単なケアレスミスをしてしまう人は結構いるのですが、それは集中力が足らない証拠でしょう。
ミスをしない為にはどうしたら良いのか?
それを常に念頭に置き、程よい緊張感を持つことが大切です。
医療事故を起こした場合、医療事故報告書という用紙を記載しなければいけません。
医療事故報告書は自分が起こした大きなミスのことなのですが、医療事故報告書を1枚書くごとに当然評価は下がります。
1ヶ月に何回も連続して医療事故報告書を記載するような人間は減点対象になってしまうのです。
体力を付ける
助産師に一番必要なのは体力です。
当たり前ですが、体力がないと働くことは出来ません。
助産師は仕事内容的に夜勤は必須です。
夜中に分娩が始まったり、褥婦のお世話も必要になるため、自ずと夜勤は発生します。
赤ちゃんは都合の良いときに生まれてきてくれるわけではないため、真夜中に分娩が続くというケースも少なくありません。
夜勤には普段以上の体力が必要とされます。
その日の勤務によって担当場所は異なりますが、分娩担当ですと常に緊張に包まれた状態で仕事をしなければいけません。
時間の感覚がなくなってしまうため、体力がもたないという方もいます。
助産師だけに限った話ではないのですが、夜勤をしている方は生活習慣が大きく崩れてしまう為体調を崩しやすくもなってしまいます。
普段の状態で仕事をするために大切なことは常に体調に気を配っておくことだと筆者も経験から感じています。
食生活を変えたりするだけでも効果はあるので、病気にならないように体作りはしっかりしておきましょう。
精神を安定させる
上記の体力の項目とリンクする部分があるのですが、精神は常に安定させておく必要があります。
助産師の場合、結構精神的に動揺しやすいケースも多いです。
赤ちゃんの体調が急変してしまったり、お母さんの体調に気を配りつつ見ておかないといけません。
常に緊張の連続にさらされやすいため、精神的にもしんどくなってしまうのです。
勿論普段からお仕事は緊張感をもって行わないといけないものではあるのですが、精神が安定していないとミスを誘発しやすくなります。
どんな状況でも常に精神を一定に保つ気持ちは持っておきましょう。
人生経験を積む
何事も経験を積むことは大切です。
人生経験によって心身の余裕が出来るため、様々な経験をしておくことは損にはなりません。
人生経験を積むことで、患者さんに対してイライラしたりすることが無くなります。
筆者自身医療職として働いていた経験があるのですが、患者さんには様々な性格の方がいました。
人懐っこくて話しやすい方、逆に気難しい性格の方もいました。
人生経験を積むということは、視野を広くとれるスキルにも繋がります。
視野が広がると今まで見えなかったものが見えたり、選択肢を広げることも可能です。
特に助産師の場合は患者さんの相談を受けることも多く、その際に発した言葉が相手を追い詰めることにも繋がりかねません。
助産師としての実務経験だけでなく人生経験も積むことでお仕事の内容もより充実し、年収に反映されることもあるのです。
先読み能力を身に付ける
「先読み」という能力をご存知ですか?
先を見通すということで、ありとあらゆることを考慮して行動する、ということです。
自分のことを見えていない人物は、目の前のことしか出来ません。
医療の現場は常にバタバタしているため、先読みが出来ると自分の助けになるでしょう。
また自分だけではなく他者の助けにもなるため、周りからの評価がアップしやすくなるのです。
先を見越して行動していると、あれをやり忘れてしまったなどいうことはなくなるため、ミスを減らすことに繋がります。
助産師の仕事は常に忙しく余裕がないため、時間に余裕がある時はあれやこれやと前もってやっておくと自分も安心できるものです。
助産師で年収をアップさせるための求人の選び方
助産師として就職や転職を考えている人の中には「更なる年収アップを」という方もいらっしゃると思います。
しかし、ほとんどの人は求人広告に記載されている上限金額しかチェックしていない為、落とし穴にはまってしまうことはよくある話です。
現在自分がどういう状況にあるかなども考慮に入れつつ、求人を探しましょう。
結婚する場合は託児所完備の所を探す
結婚後働く女性は増えてきています。
助産師もまた然りです。
その為、託児所完備、育児休暇や産休制度があるところを探すのは重要項目の一つとなります。
基本的に助産師には夜勤があるのですが、結婚すると夜勤が出来ないという方もいらっしゃいます。
職場と交渉して自分が働きやすいようにするということが大切です。
産婦人科だからと言って託児所が絶対あるとは限りません。
大きな病院であれば託児所完備されているところが多いです。
育児休暇、産休制度はあるだけで全然違います。
夜勤手当がどのくらいなのかをチェック
助産師の仕事内容的に、夜勤手当がどのくらいあるのかは必ず見ておきましょう。
夜勤手当が当然のようにあるとは限りません。
これは病院によって大きく異なります。
夜勤手当がつくか否かで年収は大幅に変わってきますので、最も注意すべき点です。
助産師とはどんな仕事?
助産師とは、そのままの意味で出産を手助けする役割を持ったお仕事です。
出産以外ですと、妊婦の健康管理、妊娠中の食事や運動などの生活指導も行います。
また、出産後の赤ちゃん、褥婦のお世話もします。
看護師の資格も保有してはいるものの、看護師とはまた違う仕事内容であると思ってください。
助産師にしかできない仕事も多いのです。
まとめ
実は現在日本で助産師になれるのは、女性だけなのです。
海外では男性の助産師もいるのですが、日本では女性の独占職業だと言われています。
そのため、助産師という仕事は女性の中でも年収が高い職業です。
年収を更にアップさせるためには、助産師としての能力やコミュニケーション能力の向上も大切ですが、傾聴やホスピタリティについても学ばなければいけません。
筆者の経験も交えたこの記事が、助産師を目指す方のお役に立てれば幸いです。
最終更新日:2019年6月25日