事務の年収を徹底解説|給料・初任給手取り・賞与(ボーナス)・各種手当


仕事を円滑に遂行するためには欠かせない職種の一つに事務があります。

事務と一言に言っても様々な種類の仕事が存在し、企業によっては多様な事務作業や職種があるでしょう。

例えば、一般事務、営業事務、貿易事務、医療事務のように事務という名がつく職種もあれば、少し特殊な能力が必要とされる翻訳や通訳、秘書なども事務にあたります。

今回はこのような事務の年収について、構成要素や職種別の違い、業界での差などに触れつつ徹底解説していきます。

事務の平均年収は332万円が相場

2020年現在、事務の平均年収は約332万円となっています。

これは事務一般事務や営業事務といったように全職種の平均年収となっており、職種別に見ていくと当然大きく異なります。

また、国税庁がまとめた『平成30年分 民間給与実態統計調査』による日本の給与所得者の平均年収は441万円であることを踏まえると、事務の年収は世の中の平均から約109万円も下回る金額となっていることが分かります。

職種別に見る事務の平均年収

事務の職種を分類すると、平均年収は次の通りになります。

一般事務(平均年収:328万円)

一般事務の仕事内容は企業によって様々ありますが、一般的には電話応対、メール対応、文書作成、データ集計、資料作成といった事務全般を行います。

一般事務の平均年収は事務の全体平均とほとんど差がない結果となっています。

営業事務(平均年収:327万円)

営業事務の仕事内容は営業遂行に伴うサポート業務が中心となり、一般的には受注処理、見積作成、納品管理、電話応対、メール対応、経費精算が主な仕事です。

営業事務の平均年収は、事務の全体平均とほとんど差がない結果となっています。

医療事務(平均年収:284万円)

医療事務の仕事内容は病院などの医療現場で事務処理を行う業務で、受付対応、書類管理、支払窓口対応などが主な仕事です。

医療事務の平均年収は事務の全体平均よりも48万円も低い結果となっていて、事務の職種の中で一番年収が低いことが分かります。

貿易事務(平均年収:368万円)

貿易事務の仕事内容は商品の輸出入に関わる業務で、輸出入の通関手続き、通関書類作成、関税納付対応、商品在庫管理などが主な仕事で、他と比べると関税の知識など多少の専門性が必要になります。

貿易事務の平均年収は事務の全体平均よりも36万円も高い結果となり、貿易事務は事務の職種の中で一番年収が高い職種です。

翻訳・通訳(平均年収:350万円)

翻訳・通訳の仕事内容は英語などの外国語に関わる業務で、外国語での文書作成やメール対応、海外からの来客時の通訳対応などが主な仕事です。

翻訳・通訳の平均年収は事務の全体平均よりも18万円も高い結果となりました。

秘書・受付(平均年収:333万円)

秘書の仕事内容は会社幹部の業務が円滑に進むためのサポートを行う業務で、スケジュール管理、出張手配などが主な仕事です。

また、受付の仕事内容は来訪者の応対と社員への取り次ぎが中心となります。

秘書・翻訳の平均年収は、事務の全体平均とほとんど差がない結果となっています。

事務の年収・給料の構成要素

事務の年収は、「基本給」「仕事給」「各種手当」を合わせた月例賃金と、一般的に年2回支給される「賞与」で構成されていることが基本です。

基本給・仕事給などはどうなっているの?

基本給とは一般的には個人の能力・資格(役職)・経験・年齢(年齢加給とも)によって算出される給与のことで、月例基本賃金(時間外手当除く)に占める割合は3割~5割と言われます。

仕事給とは一般的には個人の仕事の業績に対する評価や、資格(役職)に対する仕事の評価によって算出される給与のことで、月例基本賃金(時間外手当除く)に占める割合は5割~7割と言われます。

最近では基本給に比べ仕事給の方にウエイトを置く企業が増えてきているため、一般的には営業職や技術職に比べて昇進のスピードが抑えられている事務職は仕事給の絶対値が上がりづらく、年収や給料が低くなっているというわけです。

賞与(ボーナス)はどれくらい?

事務の年間定期給与(月例賃金×12ヶ月分)と年間賞与の構成比は80:20となっており、おおよそ4:1の割合となっています。

つまり賞与が年収の5分の1程度を占めることになります。

職種別事務の平均年間賞与

職種別の事務の平均年間賞与額は以下の通りになります。

  • 一般事務(平均賞与:63万円)
  • 営業事務(平均賞与:63万円)
  • 医療事務(平均賞与:55万円)
  • 貿易事務(平均賞与:71万円)
  • 翻訳・通訳(平均賞与:68万円)
  • 秘書・受付(平均賞与:64万円)

各種手当はどういったものがある?

手当は「法律によって定められている手当」と「会社独自で定めている手当」に分類されます。

「法律によって定められている手当」ですが、労働基準法では会社は時間外労働・深夜労働・休日労働をさせた場合には「時間外手当」「深夜手当」「休日出勤手当」を支払う義務があります。

  • 時間外手当:法定労働時間を超えた労働に対して+25%の割増賃金を支払う
  • 深夜手当:深夜22時~朝5時の間の労働に対して+25%の割増賃金を支払う
  • 休日出勤手当:休日の労働に対して+35%の割増賃金を支払う

上記の手当はそれぞれが組み合わさることも可能です。

例えば、時間外労働を深夜までやった場合、+50%割増し賃金が発生することになります。

一方で会社独自で定めている手当の一例としては以下が挙げられます。

  • 役職手当・・・役職に応じて支払われる手当
  • 住宅手当・・・居住場所にかかる費用を補助する手当
  • 通勤手当・・・通勤にかかる費用を支給する手当
  • 扶養手当・・・扶養家族の人数に応じて支給される手当
  • 職種手当・・・営業など外勤が多い職種に支給される手当

事務においても通勤手当について支給はされますが、役職手当や職種手当といった手当は支給されないと考えておいた方が良いでしょう。

事務の雇用形態別の年収を見る

ここまで紹介してきた年収は全て“正社員”を前提とした年収となっていますが、ここでは雇用形態別の年収を見てみましょう。

正社員の場合の事務の年収

雇用形態が正社員の場合の事務の平均年収は、繰り返しになりますが324万円(内、賞与:64万円)が平均年収となります。

派遣社員の場合の事務の年収

一方で、雇用形態が派遣社員の場合、事務の平均年収は220万円(賞与支給なし)となり、正社員との格差は約100万円もあることが分かります。

パート・アルバイトの場合の事務の年収

また、雇用形態がパートやアルバイトの場合、事務の平均年収は177万円(賞与支給なし)となり、正社員との差は約155万円に広がります。

事務の業界別の年収を見る

次に業界別の年収を見ていきましょう。

水産・食品業界の場合の年収

水産・食品業界の事務の平均年収は360万円(内、賞与:70万円)となっています。

事務の全体平均年収より約28万円も高く、事務の中では比較的高い年収が期待できるでしょう。

化学業界の場合の年収

化学業界の事務の平均年収は393万円(内、賞与:76万円)となっています。

事務の全体平均年収より約61万円も高く、事務の中では一番高い年収水準の業界です。

電機業界の場合の年収

電機業界の事務の平均年収は375万円(内、賞与:73万円)となっています。

事務の全体平均年収より約43万円も高く、事務の中では高水準の平均年収を誇っている業界です。

輸送用機器業界の場合の年収

輸送用機器業界の事務の平均年収は374万円(内、賞与:73万円)となっています。

事務の全体平均年収より約42万円も高く、電機業界と同様に事務の中では高水準の平均年収を誇っている業界です。

金融・保険業界の場合の年収

金融・保険業界の事務の平均年収は343万円(内、賞与:67万円)となっています。

事務の全体平均年収より約11万円高く、全体の平均年収を若干上回っている年収水準の業界です。

サービス業界の場合の年収

サービス業界の事務の平均年収は331万円(内、賞与:64万円)となっています。

事務の全体平均年収より若干下回る平均年収水準の業界です。

事務はどんなスキルを身に付ければ、年収が高くなるか?

事務の仕事において年収を高めていくためには、どのようなスキルを身につけておけば良いのでしょうか。

ここでは、年収を上げるための三つのスキルについて紹介します。

PCスキル

一つ目はPCスキルです。

事務の仕事はデータ整理、資料作成など多岐にわたりますが、ほとんどの仕事でPCを使用します。

その中でもExcelやWordといったソフトを使いこなせる人ほど任せられる仕事の質も上がり、年収を上げていくことが可能です。

例えばExcelの場合だと、データ入力に留まらずピポットテーブルや関数を駆使してデータ集計を行ったり、マクロを組んで仕事の効率化を行ったりすることで、他の人にはないPCスキルを持った人として重宝されるでしょう。

専門性

二つ目は専門性です。

ここで言う専門性とは、英語力、簿記の知識、貿易に関する知識など多くの人が持っていないスキルのことを指します。

このような誰もが簡単に習得できないスキルを身につけておくことで、それが自分自身の専門性となります。

その専門性をピンポイントに求める企業を見つけることができれば、年収を上げることも可能です。

察知力

三つ目は察知力です。

事務の仕事の大半はサポート業務になります。

営業事務であれば実際に営業を行っている社員とチームになって働きますが、仕事内容について指示を待っているだけではいけません。

仕事ができる事務の特徴は、指示を待たなくとも、サポートされる側の仕事やメールの流れから自分がやるべき仕事を見つけ出して動く察知力が重要となります。

察知力が身につけば周囲からの信頼も得ることができ、賞与査定にもプラスに働きますので、年収を上げることが可能となります。

さいごに

ここまで、事務の年収について職種別や雇用形態別、更には業界別に紹介してきました。

事務の仕事は様々で、その年収も仕事内容によって差が生じます。

当然、事務の中でも専門性の高い仕事については年収も高くなりますし、個人のスキルや経験が豊富であれば年収も上がっていきます。

事務だからと言って、ただ単にサポートするだけや指示されたことのみをやっていては、年収を高めることには限界があります。

そのため、事務の仕事に興味があり少しでも年収を上げていきたいと考えている人は、自分にしかない“スキル”や“専門性”を身につけることをおすすめします。

最終更新日:2020年6月2日

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