グランドスタッフの年収を徹底解説|給料・初任給手取り・賞与(ボーナス)・各種手当
全国各地の玄関口と言っても過言ではない、空港で接客サービスを行うグランドスタッフ。
お客様を空港から安全且つ安心して旅立ってもらえるよう、地上での業務を行っています。
その業務は多岐にわたり、チケットの発券やチェックイン、搭乗案内や到着業務まで多くの仕事を担っています。
みなさんも何かしらお世話になった経験があるのではないでしょうか?
ここでは、グランドスタッフの年収、気になるボーナスや各種手当など徹底解説していきます。
グランドスタッフの平均年収は?
グランドスタッフは、空港で主に出発や到着などの接客を伴うお仕事をしている方々です。
日系大手のJALとANA、2社のグランドスタッフの平均年収は350万円です。
平均月収にすると約29万円となり、働く年齢幅は20代〜60代までとなっています。
また、近年、LCCの航空会社も多く利用されるようになり、ジェットスターやエアアジアなどの正社員平均年収は240万円程が相場。
平均月収で計算すると約20万円となります。
グランドスタッフの年収・給料の構成要素
グランドスタッフの年収は、「基本給」「ボーナス」「役職手当」「各種手当」の構成になっている場合が多くあります。
基本給はどうなっているの?
基本給は、正社員なのか契約社員なのかによっても変わってきます。
グランドスタッフの募集・採用は、直接JALやANAが直接行うという形ではなく、関連会社やグループ会社が担当しています。
まず契約社員として入社した場合、3年ぐらい働き勤続態度などで正社員として再雇用されるという流れが一般的です。
ここでは採用されてからどのように収入が上がっていくのかをご紹介します。
勤続年数などで基本給もアップしていくイメージです。
年齢別「月額給与」の平均は?
勤続年数が長くなれば長くなるほど任される仕事内容も多くなり、役職がついたり後輩のスキルアップを指導する立場となり、給与も高くなっていきます。
年齢別での平均月額給与は、以下の通りです(以下の給与は額面上の数字です)。
- 20歳〜24歳 約18万円/月
- 25歳〜29歳 約17万円/月
- 30歳〜34歳 約20万円/月
- 35歳〜39歳 約21万円/月
- 40歳〜44歳 約23万円/月
- 45歳〜49歳 約26万円/月
- 50歳〜54歳 約27万円/月
- 55歳〜59歳 約27万円/月
- 60歳〜65歳 約19万円/月
となります。
やりがいのある仕事をしながら勤続年数を重ね、勤務態度によっては給与アップも目指せます。
こちらの表を見ていただくとお分かりのように、20歳〜24歳の月収に比べて、25歳〜29歳の月収の方が少なくなっています。
なぜかと言いますと、20歳の頃に採用される場合には契約社員としての雇用が多く、時給での契約となるパターンが多い頃。
時給計算の方が収入としては多くなる場合があります。
しかし、数年後に正社員として再雇用されることで一定の月の給与が決まってきますので、少し給与が減ったように感じる時期があるということです。
その分福利厚生がしっかりするなど、契約社員から正社員へ移行する時期がこのように反映されています。
同じように60歳〜65歳の給与も平均額が下がってきていますが、多くの場合には重要ポストを後輩に託したり契約内容の変更をしたりすることが反映されています。
賞与(ボーナス)はどれくらい?
ボーナスは、勤続年数や役職などでも変動しますが、ここでは一般的な年齢別のボーナス額をご紹介します。
ボーナスは夏冬を合わせて4ヶ月分の算出となります。
- 20歳〜24歳 約73万円/年
- 25歳〜29歳 約69万円/年
- 30歳〜34歳 約79万円/年
- 35歳〜39歳 約82万円/年
- 40歳〜44歳 約92万円/年
- 50歳〜54歳 約110万円/年
- 55歳〜59歳 約109万円/年
- 60歳〜65歳 約74万円/年
この通り、ボーナスが一番多くなる年齢は50歳〜54歳の働き盛りの時期となります。
各種手当はどういったものがある?
手当ては、
- シフト勤務手当
- 年末年始就労手当
- 早朝深夜出退勤手当
- 休日勤務手当
など、サービス業ならではの手当が充実しています。
どうしてもフライト時間に合わせた勤務時間となりますので、早朝便があったり深夜便があったり、世の中が休日の時期が一番忙しい仕事になるため、休日の手当などもしっかり用意されているのは有難いですね。
シフト勤務手当とは、固定制での仕事であれば月曜日〜金曜日までの8時間勤務が通常の働き方だと考えた場合、出勤時間に変動があり休日の休みも確定しておらずシフト制での勤務となる為、会社側が用意した勤務手当となっています。
空港で働く場合にはフライトの時間に合わせた出退勤となりますので、時間が不規則なシフト制で働くことが当たり前の職業となっています。
その他に、
などもあります。
交通費や住宅手当などは正社員だと全額支給、契約社員だと一部支給など、会社によって異なります。
正社員であれば、更に福利厚生が充実しています。
特に航空会社特有の手当として勤め先の自社航空券を従業員割引で購入でき、年に数回は旅行を格安で楽しめるという特典も。
繁忙期など時期によっては割引券使用時期に制限はありますが、落ち着いた時期に旅行できるというのも考え方によってはお得だと思います。
グループ会社の旅行ツアーやホテル宿泊なども安くなるので、全体的にお得に旅行を満喫できます。
家族旅行や友人との旅行の時にも気軽に旅行を楽しめますし、同じ社内のメンバー同士で休みさえ合えば、息抜きの旅行もお互いにお得にチケットが取れるので誘い合って満喫するのも楽しそうですね。
グランドスタッフの雇用形態別の年収を見る
こちらではグランドスタッフとして正社員として雇用される場合と契約社員で雇用される場合の年収をご紹介します。
正社員の場合のグランドスタッフの年収
正社員として新卒入社した際の平均初任給は、月約16万円です。
基本給以外にも、先ほど記したボーナスや早朝深夜出退勤手当などあります。
契約社員の場合のグランドスタッフの年収
近年では契約社員としてまず採用するという流れが多くなってきています。
契約社員として入社した際の平均時給は約1,000円です。
契約社員の場合にも、深夜勤務手当などの各種手当があります。
グランドスタッフは、最高でどれくらいの年収まで目指せるか?
グランドスタッフとして、一般の職業と同じように定年まで仕事をすることが可能です。
どれぐらいまでの年収を目指せるのでしょうか?
先程ご紹介しました年齢別の平均月収を基に算出したところ、55歳以上で最高年収が433万円となります。
仕事内容も理解し、後輩の指導も行い、会社として重要なポストを担う立場になるということでも年収が高くなります。
グランドスタッフとして年収をアップさせたい人に意識してほしい4つのヒント
採用されてからどのようなことを意識して働いていけば、高い年収を目指しながら充実した勤務時間を過ごすことができるのでしょうか?
そのヒントをお伝えします。
ヒント①正社員を目指す
とにかく最初は正社員を目指すことです。
契約社員で採用されて約3年後に勤務態度などで正社員に再雇用されるという流れが一般的ですので、まずそこを目指し、仕事の流れを掴みお客様の為にできることを意識して接客しましょう。
ヒント②大手航空会社への転職
現在、LCCなどの格安航空会社も増えグランドスタッフとしての雇用の入り口も様々となっていますが、年収面で考えるとナショナルフラッグキャリアと呼ばれる大手航空会社(日系ではJAL・ANA)に就職する方が有利と言われています。
他の航空会社に入社し経験をしてからの転職も大いに考えられますので、視野に入れておきましょう。
注意してほしいのは、大手航空会社の採用が新卒向けに行われることも多いので、新卒の方は採用試験を受けることをオススメします。
経験者の募集などもあったりしますので、いつでも採用募集の情報をチェックするように心がけるといいですね。
ヒント③都市部の空港に勤務
利用する客数が違ってくる為、都市部の空港の方が年収がやや高めになる傾向です。
地元の空港で働きたい理由が無いのであれば、都市部の空港での就職の方が収入面としては高くなりますので、検討しても良さそうですね。
地方と都市部の違いについてはまた詳しく説明いたします。
ヒント④管理職を目指す
年収のアップを期待できるのは、やはり管理職に就くこと。
同年代でも、管理職になるだけで年収は変わってきます。
管理職になれるということは、会社からも仕事ぶりが認められ、これからの仕事にも期待を持ってもらえているということです。
そうなると、責任感ややりがいを感じながら仕事に取り組むことができます。
好きな仕事に就き、やりがいと経済面でのゆとりを感じられるのは、素晴らしい喜びになりますね。
グランドスタッフの勤務先別の年収の違いについて
地方空港で働く場合の年収
地方にお住いの方で、地元の空港でグランドスタッフとして働く場合には月収15万円スタートということが多く、時給としては1,000円スタートとなります。
中核空港で働く場合の年収
羽田空港や成田空港といった都市部の中核空港で働く場合には利用客の人数や求められる仕事も多い為、地方空港よりも給料がやや高めな印象です。
中核空港であれば、月収17万円スタート、時給1,200円スタートとなります。
やはり人の往来も多く利用客の多い中核空港で働く場合の方が年収は高くなりますので、キャリアアップややりがいを求める方であれば中核空港での就職がオススメです。
年代別の平均年収
以上を踏まえた上で、全てのボーナスなども含めた平均収入を年齢別でご紹介します。
20代
新卒や未経験者も多く、グランドスタッフとして働いて10年未満。これからが期待できる世代。
- 新卒正社員の場合 約240万円/年
- 契約社員の場合 約220万円/年
30代
経験年数が経つ頃。契約社員が正社員に再雇用されている場合も多い年代。
グランドスタッフとして会社の力となる経験値と責任ある役職を任されるようになる世代。
- 正社員 約300万円/年
- 契約社員 約280万年/年
40代
ほとんどが正社員になり、管理職もいる年代。
グランドスタッフとしてのキャリアもあり、後輩の育成に関わる企業の重要な立場にある世代。
- 正社員 約330万円/年
- 管理職 約380万円〜450万円/年
総合的に見ても、経験値が上がることで年収も上がっていくことが分かります。
これからグランドスタッフになる人へのアドバイス
こちらでは、グランドスタッフの年収など収入面に重点を置きお伝えしました。
想像よりも収入面が多く感じるか少なく感じるのかはその人次第だと思いますが、グランドスタッフを夢見てなりたい職業として考えているのであれば、収入面以上のやりがいや楽しさがある魅力的な仕事だと思います。
実際に空港は、玄関口として人が行き交う特別な場所です。
出発する人々や到着する人々の手助けをする重要な仕事を担っています。
フライト時間に合わせた時間的な制限のかかった中で接客をこなし、お客様のニーズにも応えられる接客のプロとして、人間としても成長できる職種であることは間違いありません。
身なりを整えることや、丁寧な所作なども接客する立場として学び経験することが多い為、キャリアとしても楽しみながら積み重ねていけますので、チャレンジしがいのある仕事です。
グランドスタッフは可能性の広がる職業
グランドスタッフとして、地方の空港に採用が決まったらその仕事内容や勤務地が変わらずにいると思われている方もいらっしゃると思いますが、実際にはグランドスタッフとしての仕事内容は、一般的に皆さんが認識しているお客様と接する仕事もあれば、裏方として事務的な作業をする業務や、飛行機のバランスを見ながら荷物やお客様の座席配分を決めていく仕事内容など多岐にわたります。
その全てをグランドスタッフが行っているのです。
採用時にその適性を見ながら仕事内容が決まり配属されたり、数年経ってから他の業務の経験から部署の異動があることもあります。
その他に、大手航空会社であれば地方空港とと中核空港のグランドスタッフが一定期間働く場所を交代して違う現場を体験したり、実際に海外の空港への勤務要請があったりすることもあるそうですよ。
そういう時にはもちろん本人と会社側としっかり話し合いながら決めていくので、必ずしも行かなければならないというような強制的なものではないようですが、そういうチャンスが訪れた時に家庭的なことなど縛りがなければ、経験してみるのも違う世界や環境が広がり素晴らしい体験となるのではないでしょうか。
提案をされたということは、勤務態度や仕事に対しての評価がされた証拠でもあるのです。
逆に、配偶者の離島勤務や都市部への異動が決まり家族で引っ越す場合にも、願い出れば異動して好きな仕事を続けることも可能です。
そう考えると、可能性が広がる仕事なのではないでしょうか。
さいごに
グランドスタッフの年収を徹底解説しました。
ぜひ参考にしていただき、グランドスタッフとしての一歩を踏み出していただけたら幸いです。
最終更新日:2020年6月1日