動物看護師の年収を徹底解説|給料・初任給手取り・賞与(ボーナス)・各種手当


動物看護師は、動物病院で獣医師のサポートをメインとする職業です。

動物医療における専門性の高さから、令和元年6月愛玩動物看護師法が公布のもと、愛玩動物看護師という名で国家資格化も決定しました(試験方法や試験開始時期などは検討中のため現状は未定です)。

この記事では、そんな動物看護師の初任給の手取り給料や年収、その他の待遇面に関して、私の経験も踏まえてお話していこうと思います。

動物看護師の平均年収は300万円以下が相場

動物看護師の年収の平均的な相場は、200万円台から多く見積もっても300万円程度といったところです。

専門職と言っても、思っていたより年収は高くないなと思われた方も多いかと思います。

動物看護師という職業自体もいまだ国家資格化はされておらず、いわゆる一般的な看護師よりも水準が低くなってしまうのかもしれません。

また、病院によっても年収の差が大きくなると言えます。

大半の病院は個人経営なのでボーナスが出るか出ないかということもありますし、どのような手当が付くのかどうかによって、この年収相場に大きく影響するでしょう。

動物看護師の年収・給料の構成要素

動物看護師の年収は、「基本給」「各種手当」「ボーナス」という構成になっています。

基本給の相場は地域や病院の規模によって変わってきますが、地方より東京や大阪など都会の方が給料が高く設定されている場合が多いです。

各種手当については病院ごとに補助をしてくれる内容が違うので、就職を検討される場合はこの「手当」の部分を要確認する必要があると言えます。

ボーナスに関しても変わってきます。

当然支払ってくれるところもあるでしょうが、病院経営などの業績に左右される可能性が大きいと思います。

基本給・初任給の手取りはどのくらい?

動物看護師の初任給の月給は平均して「17万円~20万円」でしょう。

これは基本給に、各種手当などを含めた額面上の月額の給料です。

ここから税金や社会保険などを引けば、手取りは14万円~17万円ほどということになります。

基本給は病院の規模や地域によって差が出てしまうところですが、初任給であればこの程度が相場でしょう。

病院によっては昇給制度などもあるでしょうから、その内容によっても今後の年収が増加する見込みがあるかが分かってきます。

初任給はこの程度でも、昇給があった結果30代40代では基本給が増え、それに伴い年収も高くなるのが一般的な流れです。

賞与(ボーナス)はどれくらい?

動物看護師の賞与に関しては、病院によって「ボーナスがあるかないか」が変わってきます。

ボーナスが年に2回支給されるのであれば、待遇が良いほうだと思います。

私の勤めていた動物病院では、1年で2ヶ月分でした。

一般的な企業よりは少ないのが現状かと思いますが、ボーナスがあるかないかによって年収には当然大きく差が出てきます。

各種手当てはどういったものがある?

ボーナスの次に年収に影響を及ぼす「各種手当」ですが、基本的なところで「交通費支給」「残業手当」「住宅手当」「皆勤手当」夜勤や宿直のある病院は「夜勤・宿直手当」などでしょう。

交通費に関してはほとんどの動物病院で保障されていることが多いです。

基本給があまり高くないため、生活水準を保つためにも住宅手当はあってほしいものですね。

あとは残業手当に関してです。

動物看護師として働く場合、残業は必ずついてくると思った方が良いでしょう。

診察時間外でも患者は来ますし、診察や手術の時間が伸びて3時間残業しなければいけなかった、ということも充分にあり得る業界です。

動物看護師の年収を新卒や雇用形態別に見てみる

ここでは動物看護師の年収を新卒や雇用形態別に見ていきます。

新卒の場合の動物看護士の年収

現在では動物看護師を養成する専門学校や短期大学なども増えてきました。

そういった教育機関を経て動物看護師の資格を持って就職した場合でも、初任給の額面相場は月20万円前後でしょう。

これは一般の専門学校や大学を卒業後に就職したとしても変わらず、初任給はほぼ同じだと思います。

したがって、年収としては240万円~300万円程となります。

社会人が転職する場合の動物看護士の年収(正社員)

社会人として働いていたけど、動物に関連した仕事がしたいという夢を捨てきれず動物看護の世界に足を踏み入れる方もいるかと思います。

その場合でも基本給は設定されている金額が支払われるため、新卒で入植した場合との年収の違いはないでしょう。

もし大手の企業に勤めていたような方は、社会人時代との年収に格差が生まれてしまうことを頭に入れておく必要があると言えます。

パート・アルバイトの場合の動物看護士の年収

一般的な動物病院でのアルバイトの給料は時給800円~1,000円前後といったところで、他業種のアルバイトの相場とほぼ変わりません。

例えば時給1,000円で1日5時間週5日程度働いたとして、月給は10万円前後、年収は120万円前後ということになります。

時間的な余裕がほしい場合はこの雇用形態で働くのが良いでしょうが、パートやアルバイトにはボーナスなどはつかないことが多いので、給与面で見ると生計を立てるのは難しいかと思います。

動物看護師は、最高でどれくらいの年収まで目指せるか?

それでは動物看護師として働いて、最高で年収はどのくらいまで稼げるのか。

例を設定して考えてみたいと思います。

設定内容は、月給が高い傾向にある「都心部の大規模な動物病院」、手当てを考慮して「夜勤あり」「昇給あり」「ボーナスあり」、勤務年数を長期とし、「役職手当」もつくこととします。

月給手取りを30万円前後と考えて、おおよそ年収400万円~最高でも450万円程度となるでしょう。

年齢によって昇給があると考慮すると、初任給から100万円ほども差が出ることになります。

動物看護師はどういった勤務先だと年収が高くなるか?

動物看護師は動物医療に関する知識だけでなく、トレーニングや繁殖、動物の解剖学など幅広い知識を持ち合わせた専門職です。

基本的には動物病院で働くことが多いでしょうが、その知識と専門性からペットショップやペットサロン、動物保護施設などでも勤務できると言えます。

そういった施設や勤務先の違いによって年収にどの程度の差が出るのかを見ていきましょう。

動物病院で働く場合の年収

約230万円~約350万円

比較のため、前述してきた動物病院での平均年収も挙げておきます。

ペットショップで働く場合の年収

約270万円~約340万円

企業に勤めるといった観点では、個人経営の動物病院に比べてボーナスや月給の安定性はあるのかもしれません。

動物保護施設で働く場合の年収

約260万円~約320万円

市や町などの公的施設であれば、公務員試験を受けて就職する必要があるかと思います。

動物看護師で年収をアップさせたい人がやってほしい4個のこと

動物看護師として働く上で年収をアップさせたい時、どのようなことをすると良いのでしょうか。

ここでは年収アップに繋がる策を4個挙げて説明していこうと思います。

動物看護師の資格を取得する

動物看護師の国家資格化は決定したものの、試験開催などは整備中につき未定で、現在は統一試験や民間資格のみで構成されています。

動物病院に就職する際にはやはり資格があった方が有利ですし、特に大きな団体の動物看護師の資格であれば、それだけ安定した就職先から内定がもらえることに繋がります。

「認定動物看護師」

一般財団法人動物看護師統一認定機構が実施する「動物看護師統一認定試験」に合格することで取得できる資格です。

動物看護の資格を認定する協会や団体が複数あった中、動物看護の知識・技術の水準や資格価値を一定以上に高める目的で、この団体が発足し統一試験を開始しました。

公的資格化を目指しており、将来的にはここで受け取る資格が動物看護の公的資格となる可能性も考えられています。

「動物衛生看護師(AHT:アニマルヘルステクニシャン)」

日本動物衛生看護師協会が認定している動物医療における看護職の資格で、病気やケガをした動物の看護にあたるための知識と技術と人格を有することが証明されます。

「動物医療技術師(VT:ベタリナリー・テクニシャン)」

こちらも日本動物衛生看護師協会が認定している資格です。

前述したAHTとの違いは、「動物科学や動物看護学の専門知識を活かしてコンパニオンアニマルの医療・ 看護・健康管理・飼育やアニマル・アシステッド・セラピー等に携わり、指導的立場で活動するための知識・技能・人格を有することを認定する」とされているので、より専門性の高いライセンスに位置づけられているようです。

JAHTA認定動物看護士(VT)になるには、動物衛生看護士(AHT)に合格した後、動物看護師統一認定機構が指定した課程を修了、または2年以上の実務を経験する必要があります。

動物関連の資格(動物看護師以外の資格)を取得する

動物看護師の資格意外にも業界で働く上で有益となる資格は他にもあります。

またセミナーや講座などを通してもらえる認定なども持っている人材というのは、就職や昇進に有利となります。

余裕があればこれらの資格やセミナーの受講も考えておきましょう。

「臨床栄養指導 認定動物看護師(1級・2級)」

一般社団法人日本動物看護職協会が実施している認定制度で、動物看護師に必要な「動物栄養学」の専門的知識、臨床現場における栄養指導と動物看護の技術を有することを審査し認定する制度です。

動物病院に来院する動物に適切な栄養指導に関する専門知識を身につけることができるので、就職に有利となり得ます。

「愛玩動物飼養管理士(1級・2級)」

公益社団法人日本愛玩動物協会が認定している資格です。

「動物の愛護及び管理に関する法律」の趣旨に基づき、愛玩動物(ペット)の愛護及び適正飼養管理の普及啓発活動などを行うために必要な知識・技能を身につけることを目的としています。

通信教育で学び受験するという流れなので所定の学校などに通う必要もなく、資格取得への難易度も低いですが、ペット業界で働く上で持っておいて損はない資格かと思います。

「JAHA認定家庭犬しつけインストラクター」

公益社団法人日本動物病院協会が実施する、インストラクター養成講座を受講することで得られる資格です。

飼い主にしつけやトレーニングを教える指導者として必要な知識とスキルを学べるため、しつけ教室を実施している動物病院などへの就職に有利となるでしょうし、しつけ教室の担当も任せてもらえる機会がでるでしょう。

「こいぬこねこの教育アドバイザー」

公益社団法人日本動物病院協会が動物看護師やスタッフ向けに実施している養成講座で、子犬子猫のしつけや健康管理について飼い主さんへの適切な指導方法などを学びます。

ベーシックコース・実践コース・インターンコースとステップアップして学ぶことができ、全てのコースを修了し認定試験に合格すると「認定こいぬこねこ教育アドバイザー」の認定が取得できます。

子犬や子猫はワクチンなどで初年度は複数回来するので、そこで健康管理などについて話ができる人材は動物病院にとっても必要な存在になるでしょう。

「動物病院スタッフのためのシニアケア講座」

こちらも公益社団法人日本動物病院協会が、動物看護師やスタッフ向けに実施している養成講座です。

全4回の講義・実技に参加することで修了証がもらえます。

動物医療も発展し、動物の寿命の延びにつれて高齢化が進んでいます。

今後、高齢動物のご家族に適切なアドバイスを行えるということは、必要なスキルになってくるかと思います。

夜勤・宿直のある動物病院に就職・転職する

年収アップに直結するのが手当のうち「夜勤・宿直手当」です。

また夜勤や宿直がある動物病院というのは、規模の大きな病院でもあるのでそれだけ給与や手当などの保障も充実しているところが多いでしょう。

体力的に頑張れそうな方は、こういった夜勤業務のある動物病院への就職・転職をおすすめします。

企業系の動物病院に就職・転職する

個人経営の動物病院が大半を占める中、最近では多店舗経営を行っているような企業系の動物病院も増えてきました。

ペットショップ併設や商業施設などの集客が見込める場所に出店されているところもあり、経営も安定しやすいと言えるでしょう。

そのため、従業員に対する研修制度をはじめ、福利厚生も充実している病院が多いように思います。

個人経営の動物病院では将来性が心配になることもありますが、「安定」した就職を目指すには、こういった企業系の動物病院に就職・転職を考えるとよいかもしれません。

これから動物看護師に就く人への3つのアドバイス

動物看護師として就職を考えている方に、私からアドバイスをおくりたいと思います。

動物看護師の資格取得を目指す

動物看護師は今現在も資格がなくても働ける職業です。

しかし、規模がしっかりとした動物病院への就職を考える際には、採用条件に「動物看護師資格取得者」であることが書かれていることが多く、就職に有利になることは間違いないでしょう。

また専門性の高い職業であるため、資格取得のために行った学習は、就職してからの仕事やスキルに直結してくると思います。

動物看護師としてどんな働き方がしたいかを明確にする

動物看護師としてどこで働くのか、働く時にはどんな働き方がしたいのかを明確にさせましょう。

働きながら知識や技術を向上させたいと思っている方なら、研修制度の有無を確認する必要があります。

ホームページなどで確認できますが、動物看護の団体・協会などに所属している動物病院の方が研修制度が充実している場合も多いです。

また今回お話した給与面だと、昇給や賞与はどのくらいあるのかは年収に関わってきますし、正社員かアルバイトかという雇用形態や、日勤のみで働くのか夜勤もできるのかなど、働く上で自分自身が続けていけるような就職先を考えておくべきです。

その上で募集要項の内容をしっかりと確認し、応募するようにしましょう。

とてもやりがいのある仕事、しかし楽しいだけの仕事ではないことを頭に入れておく

動物看護師は獣医師と共に、動物たちの命と健康を守るために働く職業です。

病気から回復した動物たち姿やそれを見て喜ぶ飼い主に接する時は、自分自身も喜びややりがいを感じるでしょう。

しかし勤務体制上、体力的にはハードなことも多く、動物の死や自分ではどうしようもない状況と対面する時もあります。

辛く悲しい気持ちになることもあるけれど、それを乗り越えて成長していくことを望まれる職業です。

就職する際には、体力的にも精神的にもタフでいくという気合も必要となってくるでしょう。

さいごに

動物看護師の給与や年収について色々とお話してきましたが、いかがだったでしょうか。

専門職にしては年収が少ないなと、初めは驚きを持った方も多いかと思います。

動物看護を含めた動物医療の職業は、まだ発展途上の世界です。

動物の命を守るという尊い仕事に、日々真摯に向き合っている動物看護師は全国に沢山います。

忙しく、時には厳しい状況の中でも頑張ろうと思えるのは、それだけ仕事の中に喜びややりがいも多くある仕事だからだと思います。

動物看護師の国家資格化が決まった今、この職業の認知度が上がるにつれて、給与水準も上がっていってくれたら良いなと願うばかりです。

最終更新日:2019年12月16日

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