バス運転手の年収を徹底解説|給料・初任給手取り・賞与(ボーナス)・各種手当
これからバスの運転手を目指そうと思った時に気になるのは、平均年収がどのくらいかということです。
働く以上は年収が大きなモチベーションに繋がりますし、生活を支えるためにも重要な方法だと言えます。
平均年収が分かったところで、次に実践したいのは自分の年収をどうやって上げるのかどうかです。
今の年収に甘んじるのではなく、もっと年収を上げるためにできることがあります。
それでは、バスの運転手の平均年収などをご説明しましょう。
バス運転手の平均年収は450万円が相場
バスの運転手と言っても様々な種類がありますが、基本的にバス運転手全体の平均年収は450万円となっています。
こちらの平均年収は平成30年に厚生労働省が発表した賃金構造基本統計調査によって政府統計データで導き出されたもので、その中でも平均年収推移はおおよそ370万円~560万円だとされています。
ただ、基本的に年齢によって上昇するので、20代のバス運転手の平均年収はおおよそ200万円後半~300万円になることがほとんどです。
もちろん勤務するバス会社によって多少の違いがありますが、おおよその平均年収はこのくらいだということを知っておきましょう。
基本的にバス運転手の平均年収は日本全体の平均年収と比べるとやや低い傾向にあります。
ただ、働き方によっては高い年収を目指せる職種でもあるので、個人の頑張りが問われる職種だと言えるでしょう。
また、バス運転手は乗客を目的地まで乗せる仕事なので、必然的に人が多い場所で勤務する人ほど年収が高いと言えます。
勤務先によっては繁忙期や閑散期の影響によって総合的な乗客の入りが少なくなるため、年収が下がることも少なくありません。
バス運転手の年収・給料の構成要素
バス運転手の年収・給料を構成しているのは、主に基本給・能力給、賞与、各種手当てです。
それぞれの金額は平成30年に厚生労働省が発表した賃金構造基本統計調査によって政府統計データで導き出されているので、そちらを解説していきます。これからバス運転手を目指す人は、是非とも参考にしてみてくださいね。
それでは、バス運転手の年収・給料を構成している要素についてご説明しましょう。
基本給・能力給などはどうなっているの?
バス運転手の基本給および能力給は、おおよそ22万円~33万円程度となっています。
こちらは勤務先や働き方、バス会社の規模、待遇などによって大きく変わります。
勤続年数によって年収が上がっていくのが基本なので、勤続年数を重ねる毎に基本給や能力給も上がっていくでしょう。
賞与(ボーナス)はどれくらい?
賞与も勤続年数を重ねる毎に上がるのが基本で、平均ボーナスの金額はおおよそ55万円~65万円程度となっています。
ただし、バス会社によっては賞与そのものがない可能性もあるので、事前に賞与があるのか調べる必要性があるでしょう。
各種手当てはどういったものがある?
バス運転手の手当はバス会社によって豊富に揃っています。
残業手当て、住居手当て、無事故手当て、通勤手当て、夜勤手当て、扶養手当て、超過勤務手当て、期末・勤勉手当てなど豊富な手当てが揃っているので、これらの手当てが年収に与える影響は非常に大きいでしょう。
しかし、バス会社によってはここまで手当てが揃っていないこともありますし、そもそもの待遇が良くないこともあります。
もちろんバス会社を厳選することである程度の待遇の中で働くこともできるため、働きやすいと思えるバス会社を選択することが重要です。
バス運転手の雇用形態別の年収を見る
バス運転手は正社員だけでなく、アルバイトやパート、派遣社員といった雇用形態があります。
一昔前までは正社員でないとバス運転手になれませんでしたが、今現在では雇用形態の柔軟化によってアルバイトなど様々な人がバス運転手として働けるようになっています。
自由に雇用形態が選べるので、その点で働きやすくなっているのではないでしょうか。
それでは、バス運転手の雇用形態別の年収についてご説明しましょう。
正社員の場合のバス運転手の年収
正社員のバス運転手の年収は、平均357万円となっています。
アルバイト・パートの場合のバス運転手の年収
アルバイト・パートの時給は平均1,003円となり、1日7時間~8時間、週5日間働くとするなら、年収はおおよそ168万円~192万円となります。
派遣社員の場合のバス運転手の年収
派遣社員の場合の時給は平均1,250円となり、1日7時間~8時間、週5日間働くとするなら、年収は210万円~240万円となります。
バス運転手は、最高でどれくらいの年収まで目指せるか?
バス運転手の年収は自分の頑張り次第で可能な限り上げることができます。
もちろん各種手当てや賞与の有無、年齢や勤続年数など様々な要素が大きく関係しますが、場合によっては年収1000万円を目指すことも可能です。
ただし、年収1000万円ともなれば20年以上の勤続年数の超ベテラン運転手で、無事故、無欠席、遅延無しと完璧に職務をこなしてる人に限られるでしょう。
ここまで聞くと年収1000万円なんて現実的じゃないと思われるかもしれませんが、バス運転手は福利厚生が充実しており、尚且つ人手不足なので勤務日数が増えやすいなど比較的年収が上がりやすい職業でもあります。
年収1000万円を目指す場合、規模が小さいバス会社よりも規模が大きいバス会社の方が最初から給料が高かったり充分な賞与や昇給などがある可能性が高いです。
また賞与の頻度が高く、賞与の金額が高いバス会社に勤めるのもおすすめです。
もしもバス運転手としてのやる気や体力、実力や経験に自信があるのであれば、正社員ではなく業務委託としてバス会社と交渉するのも良いでしょう。
業務委託の場合バス会社と報酬の交渉ができるので、自分のスキルをしっかりとアピールできて必要な人材だと納得してもらえれば、高額な報酬や多くの仕事を貰える可能性があります。
バス運転手はどういった勤務先だと年収が高くなるか?
バス運転手と一言で言っても、勤務先によって年収に違いが出ます。
より高い年収を目指すのであれば、どの勤務先で働くのかにこだわる必要性があるでしょう。
しかし勤務先によって、またバス会社の規模や待遇によって、多少なりとも働きやすさに差があることも忘れてはいけません。
年収ばかりを気にして働きにくい職場で働くより、年収が低めでも働きやすい職場で働くのも一つの選択肢だと言えるでしょう。
それでは、バス運転手の勤務先の違いによる年収についてご説明しましょう。
路線バス運転手で働く場合の年収
路線バス運転手で働く場合の年収は、おおよそ440万円~となっています。
入社してしばらく300万円後半の年収が続く傾向にありますが、勤続年数が長くなってくると徐々に年収が上がり、15年以上にもなると年収500万円を超えることも珍しくありません。
そもそも路線バス運転手として働く場合、比較的年収が高いのは勤務時間が長いのと休日出勤があるためです。
もちろんバス会社によって大きく違いますが、基本的に人手不足の状態が続いているので就職や転職がしやすいのに対し、長時間労働が続くなど少々働きにくさを感じるかもしれません。
ただし、多くのバス会社は乗務員の勤務内容を調査し、乗務員評価による昇給制度や回数券、グッズの売上の多さによる手当て、不正乗車を発見した場合のボーナス、行動能力評価による昇給制度などがあります。
つまり、真面目に働くほど年収が上がるチャンスがあるでしょう。
観光バス運転手で働く場合の年収
観光バス運転で働く場合の年収は、おおよそ430万円~となっています。
中でも500万円以上の年収を稼ぎ出すこともできますし、バス会社によっては年に3回も賞与が支給されることもあります。
ただし中には、残業手当てが支給されないこともあれば働いた分だけの手当てが支給されない場合もあるので注意しましょう。
更に、観光バス運転手はツアーの数が増える分だけ労働時間も増えるため、重労働になりやすいです。
決まったルートを走行するわけでもなければ決まった時間に走行するというわけでもないので、過酷な労働環境から常に人手不足に陥っている状態です。
夜行バス運転手で働く場合の年収
夜行バス運転で働く場合の年収は、おおよそ470万円~となっています。
夜行バス運転手は他の勤務先に比べて年収が高く、夜中に運行することから深夜乗務手当てなどが支給されるので、多く稼ぎやすいです。
しかし、長距離を走行するバス運転手は拘束時間が長く、夜中に運行するからこそ事故率が高まるという危険性もあります。
夜行バス運転手は基本的に2人体制で交代しながら運転するだけでなく、休憩時間も勤務時間に含まれているのは幸いだと言えるでしょう。
バス運転手の年収の決まり方や、年収が高い人の条件・スキル・特徴は?
バス運転手の年収には決まり方があります。
何もスキルや経験がない人よりも、経験を積み何らかのスキルがある人ほど年収が高い傾向にあります。
高い年収を稼ぎたいのであれば、様々な条件を満たしスキルや経験を積むことが大切です。
それでは、バス運転手の年収が高い人の条件やスキル、特徴についてご説明しましょう。
1.スムーズに運転するためのスキル・経験がある
バス運転手の年収に必要不可欠なのが、地理や観光名所を覚え、渋滞する時間帯などを考慮してスムーズに運行するための知識です。
バス運転手において最も重要なことの一つは、いかに素早く乗客を目的地まで運べるかどうかです。
そのためにはスムーズに走行できるように周辺の地理について詳しくなる必要性がありますし、観光バス運転手は目的地周辺の観光名所の場所を知る必要もあります。
夜行バスなど高速道路を走行する場合は、高速道路が渋滞する時間帯や休憩時間などを考慮しつつスムーズに走行できるかが大切です。
ベテランの運転手はこれらのスキルや経験が豊富にあるので、高い年収を稼ぐことができると言えるでしょう。
2.安全運転を遵守する
バス運転手に限らず車を走行する人ならだれにでも言えることですが、絶対に事故を起こさないよう安全運転が必要不可欠です。
無事故でいられるバス運転手はそれだけ最善を尽くしていますし、周囲の状況判断能力にも長けています。
乗客を速やかに目的地まで運ぶことが目的ではありますが、急ぐあまりに注意が散漫になって事故を起こすようでは話になりません。
安全運転は何よりも重要であり、年収に大きく関わる要素だと覚えておきましょう。
3.バス運転手はコミュニケーション能力も必要
年収を高める上で大切なのが、乗客とのコミュニケーション能力です。
バス運転手は運転だけに集中していれば良いわけではなく、接客も必要不可欠なスキルです。
乗客から道を訊かれることもあれば、料金体系はどうなっているのかなど様々な質問が来るでしょう。
頻度は少ないとは言え、その少ない頻度の中でいかに愛想良く質問に答えられるかが重要です。
乗客が車酔いしないようにしたり、観光地ではゆっくり走行したり、寝ている乗客のために蛇行運転しないなど、常に乗客を気遣えるかで評価が分かれるでしょう。
バス運転手の年収査定で大事なのは、特に「安全運転」「無事故」「いかに乗客を素早く目的地まで運べるか」。
バス運転手は乗務員の勤務内容の調査や乗務員評価による昇給制度、行動能力評価による昇給制度などがあるため、いかに安全運転ができていたか、無事故だったか、いかに乗客を素早く目的地まで運ぶことができたかで大きな差が出ます。
バス運転手は基本的に重労働だと言わざるを得ませんが、その中でいかに頑張って職務を全うできているかどうかが年収査定に大きく関わるでしょう。
バス運転手として年収をアップさせたい人がやってほしい3個のこと
バス運転手として年収をアップさせるためにできることは多くあります。
今の年収をもっと上げたいのであれば、できることは全てやるのが得策です。
それでは、バス運転手として年収をアップさせるためにやっておきたいことを3個ご説明しましょう。
体調管理をしっかりする
バス運転手は長い間運転を繰り返す以上、体調に支障をきたしやすい職業だと言えるでしょう。
特に観光バス運転手や夜行バス運転手は、路線バス運転手よりも頻繁に長距離を運行するので体調を崩しやすくなります。
ずっと座りっぱなしで運転する以上、心身共に辛く感じることも珍しくありません。
体調を崩しにくい人におすすめではありますが、日々の体調管理がしっかりできている人ほど年収アップに繋がるでしょう。
集中力を高める
バス運転手として働くにあたって、集中力は必要不可欠な要素です。
集中力が散漫になっていると、前の車が急ブレーキをかけた時に対応しきれなくなったり、蛇行運転をしたり誰かが車道に飛び出してきたりと、一歩間違えれば大事故に繋がる要素が沢山あります。
無事故を守り続けているバス運転手は安全運転を心がけているドライバーとして評価が高いため、集中力を保ち続けることは年収アップに重要な要素です。
運転技術を磨く
安全運転を心がける意味でも重要ですが、やはり乗客を安全に運ぶためには運転技術を磨くより他にありません。
運転技術を磨いて安全運転を心がけるのはもちろん、地理に詳しくなり、周囲の状況にいち早く反応したりといった技術も必要です。
いかに運転技術を積み重ねるかが年収アップを左右するでしょう。
これからバス運転手になる人へのアドバイス
これからバス運転手になるにあたって大切なのは、長い間同じ体勢で何時間も運転し続ける以上、運転することやバスが好きである必要性があります。
バス運転手の現場は考えている以上に過酷な状況だと言えるので、運転が好きになれないと何年も続けて働くのはキツいでしょう。
年収を上げることも重要ですが、何よりも安全運転で事故を起こさないように心がけてください。
日々の誠実な対応や体調管理が、高い評価に繋がります。
さいごに
バス運転手は常に人手不足の状態で、バス会社によっては過酷な労働環境に身を置く可能性があります。
その中でいかに運転技術を磨き、集中力を高め、体調管理がしっかりとできるかどうかが結果的に年収を左右すると言えるでしょう。
これからバス運転手を目指すのであれば、元々の年収を上げるためにはどうすれば良いのかを常に考えて行動するのがおすすめです。
最終更新日:2020年6月17日